注目抗がん剤で患者を誤誘導 悪質クリニックの巧妙手口

公開日: 更新日:

 従来と違うメカニズムの抗がん剤、免疫チェックポイント阻害剤が世界中で注目されている。しかし、この薬に絡んだ“インチキクリニック”も増えているという。

免疫チェックポイント阻害剤の名前を利用して、患者さんから巨額の治療費をだまし取っているクリニックが目立つ」と言うのは、抗がん剤の専門医である日本医科大武蔵小杉病院腫瘍内科・勝俣範之教授だ。

 実態を紹介する前に免疫チェックポイント阻害剤について説明しよう。

 がん細胞の中には、がん細胞を攻撃する人の免疫機能へブレーキをかけ、働かなくするものがある。その結果、がんが発症する。免疫チェックポイント阻害剤は、がん細胞が免疫機能へブレーキをかける時に関係する抗体へ働きかけ、このブレーキを「外す」。それによって人の免疫機能の働きが再び活性化し、がん細胞を攻撃して殺す。

 免疫チェックポイント阻害剤は国内外で研究・開発が進められている。日本では「ニボルマブ」(商品名オプジーボ)が承認されていて、切除不能の「メラノーマ」(皮膚がんの一種)、同じく切除不能の「非小細胞肺がん」が保険適用の対象だ。それ以外の疾患に関しては、まだ研究段階にある。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  2. 2

    “氷河期世代”安住紳一郎アナはなぜ炎上を阻止できず? Nキャス「氷河期特集」識者の笑顔に非難の声も

  3. 3

    不謹慎だが…4番の金本知憲さんの本塁打を素直に喜べなかった。気持ちが切れてしまうのだ

  4. 4

    バント失敗で即二軍落ちしたとき岡田二軍監督に救われた。全て「本音」なところが尊敬できた

  5. 5

    大阪万博の「跡地利用」基本計画は“横文字てんこ盛り”で意味不明…それより赤字対策が先ちゃうか?

  1. 6

    大谷翔平が看破した佐々木朗希の課題…「思うように投げられないかもしれない」

  2. 7

    大谷「二刀流」あと1年での“強制終了”に現実味…圧巻パフォーマンスの代償、2年連続5度目の手術

  3. 8

    国民民主党は“用済み”寸前…石破首相が高校授業料無償化めぐる維新の要求に「満額回答」で大ピンチ

  4. 9

    野村監督に「不平不満を持っているようにしか見えない」と問い詰められて…

  5. 10

    「今岡、お前か?」 マル秘の “ノムラの考え” が流出すると犯人だと疑われたが…