ボートレーサー倉持莉々さん 入学直前ホジキンリンパ腫に

公開日: 更新日:

 唯一、良かったといえるのは両親と一緒に過ごせたこと。ずっと寮生活だったので、実家は楽しかったですね。あと、かつらを楽しみました。抗がん剤は毛が抜けるって聞いていたので、入院前に坊主頭にしちゃって、憧れのロングヘアやボブなど、普段できなかった髪形のかつらを買い揃えたんです。だから、髪が抜ける悲しさは味わってはいないです(笑い)。

 治療が始まってから、割とすぐに「回復したら、またやまと学校を受験しよう」と決意しました。入学できなかったからこそ悔しさが増して、以前よりも強く「絶対、ボートレーサーになりたい」と思ったんです。

 じつは最初の受験は、「ボートレーサーになってほしい」という父親の願いに応えることが大きな原動力になっていました。でも、再受験して入学してみて思ったのは、“もし、あのまますんなり入学していたら途中で挫折したかもしれない”ということ。そのくらい学校は厳しかったんです。

 1年間、月1回の外出以外は自由なし。朝は6時から筋トレと掃除に始まり、学科と実技の日々。2日に1回は体重検査があり、規定をオーバーすると即帰宅させられる。電話は週1回3分だけ。手紙は週に2回、分厚いものを送りました。そして、家族の返事を読んで泣く……の繰り返しでした(笑い)。正直、つらかった。でも、病気で入学できなかった悔しさがやり抜く力になったと感じます。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    「NHKの顔」だった元アナ川端義明さんは退職後、いくつもの不幸を乗り越えていた

  2. 2

    永野芽郁の「文春」不倫報道に噛みついたGACKTさんは、週刊誌の何たるかがわかっていない

  3. 3

    前田健太「ドジャース入り」で大谷との共闘に現実味 日本復帰より「節目の10年」優先か

  4. 4

    元NHK岩田明子は何をやってもウケない…コメントは緩く、ギャグはスベる、クイズは誤答

  5. 5

    ウクライナ出身力士 安青錦がすべてを語った…単身来日して3年、新入幕で敢闘賞

  1. 6

    小田和正「77歳の現役力」の凄み…現役最年長アーティストが守り続ける“プロ意識”

  2. 7

    奥さんが決断してくれた…元大関の小錦八十吉さん腎臓移植を振り返る

  3. 8

    今思えばゾッとする。僕は下調べせずPL学園に入学し、激しく後悔…寮生活は想像を絶した

  4. 9

    のんを襲った"後輩女優の二股不倫報道"の悲劇…カルピスCMめぐる永野芽郁との因縁

  5. 10

    Mrs.GREEN APPLEとディズニーのコラボに両ファン懸念…売れすぎた国民的バンドゆえの"食傷感"