ボートレーサー倉持莉々さん 入学直前ホジキンリンパ腫に

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 唯一、良かったといえるのは両親と一緒に過ごせたこと。ずっと寮生活だったので、実家は楽しかったですね。あと、かつらを楽しみました。抗がん剤は毛が抜けるって聞いていたので、入院前に坊主頭にしちゃって、憧れのロングヘアやボブなど、普段できなかった髪形のかつらを買い揃えたんです。だから、髪が抜ける悲しさは味わってはいないです(笑い)。

 治療が始まってから、割とすぐに「回復したら、またやまと学校を受験しよう」と決意しました。入学できなかったからこそ悔しさが増して、以前よりも強く「絶対、ボートレーサーになりたい」と思ったんです。

 じつは最初の受験は、「ボートレーサーになってほしい」という父親の願いに応えることが大きな原動力になっていました。でも、再受験して入学してみて思ったのは、“もし、あのまますんなり入学していたら途中で挫折したかもしれない”ということ。そのくらい学校は厳しかったんです。

 1年間、月1回の外出以外は自由なし。朝は6時から筋トレと掃除に始まり、学科と実技の日々。2日に1回は体重検査があり、規定をオーバーすると即帰宅させられる。電話は週1回3分だけ。手紙は週に2回、分厚いものを送りました。そして、家族の返事を読んで泣く……の繰り返しでした(笑い)。正直、つらかった。でも、病気で入学できなかった悔しさがやり抜く力になったと感じます。

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