なぜ秋は食欲が増すのか

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 食欲の秋といいますが、医学的根拠は? 国際医療福祉大学熱海病院の〆谷直人先生に聞きました。

「秋になると気温が下がり、体内で熱をつくるために基礎代謝が上がります。すると、その分のエネルギーを補給するために食欲が増すのです」

 基礎代謝とは、安静にしていても体内で消費されるエネルギー。体温を一定に保つために、外気温が低下すると人体は基礎代謝を上げて熱をつくり出そうとします。だから秋は、何もしなくてもエネルギー消費量が増えてお腹がすくというわけです。

「もう一つ、日照時間が短くなることも影響しています。日光を浴びる時間が少ないと、セロトニンの分泌量が減ってしまうのです」

 セロトニンは脳内の神経伝達物質で、精神を安定させる働きがあります。夏に比べて日照時間が少ない秋冬は、セロトニンが不足して無気力になったりイライラしたりしがちです。

 そのセロトニンを増やす方法は、日光浴のほかに糖質、乳製品、肉類を摂取することと、睡眠を取ること。だから、秋になると自然と食欲が増し、眠くなるのだそうです。

「さらに言えば、夏バテから回復して消化器官の働きが良くなることも挙げられます。また、野生動物のように、冬に備えて秋は栄養をため込む、というのが生物としての自然の摂理とも考えられます」

 食欲に任せて「肥ゆる秋」にならないように!

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