気づいた時には病状進行…「誤嚥性肺炎」に3つの特徴
3.睡眠薬などが引き金に
高齢者は、うつ、不眠などを患い、抗不安剤や精神安定剤、睡眠薬などを服用しているケースが多い。これが誤嚥性肺炎の引き金になる場合がある。
「これらの薬は呼吸を抑制させるばかりでなく、大脳基底核に作用してドーパミンの分泌が減り、サブスタンスPと呼ばれる合成物量を低下させます。サブスタンスPは、咳反射や嚥下反射に関係しているため、精神安定剤や睡眠薬によっては誤嚥性肺炎を引き起こしやすくなることがわかっています」
実際、東京都内の救急病院で誤嚥性肺炎の年齢別患者数を調べたところ、高齢者と若者が多かった。若者は過度な睡眠薬服用者だった。
ちなみに、誤嚥性肺炎は、脳梗塞後の患者に多いことが知られている。
「高齢者の誤嚥性肺炎が厄介なのは、抗菌剤が効いても嚥下機能が回復しないため、すぐに再発することです。それを鍛えるには、とにかくおしゃべりをすること、寝ている間に雑菌が肺に入らないように枕を高めにすること、肺炎球菌ワクチンを打つことです」
肺炎球菌ワクチンは肺炎全体の2~3割程度にしか効かないといわれるものの、誤嚥性肺炎の2~5割を抑えられるとの報告もある。老親には勧めるべきだろう。