気づいた時には病状進行…「誤嚥性肺炎」に3つの特徴

公開日: 更新日:

3.睡眠薬などが引き金に

 高齢者は、うつ、不眠などを患い、抗不安剤や精神安定剤、睡眠薬などを服用しているケースが多い。これが誤嚥肺炎の引き金になる場合がある。

「これらの薬は呼吸を抑制させるばかりでなく、大脳基底核に作用してドーパミンの分泌が減り、サブスタンスPと呼ばれる合成物量を低下させます。サブスタンスPは、咳反射や嚥下反射に関係しているため、精神安定剤や睡眠薬によっては誤嚥性肺炎を引き起こしやすくなることがわかっています」

 実際、東京都内の救急病院で誤嚥性肺炎の年齢別患者数を調べたところ、高齢者と若者が多かった。若者は過度な睡眠薬服用者だった。

 ちなみに、誤嚥性肺炎は、脳梗塞後の患者に多いことが知られている。

「高齢者の誤嚥性肺炎が厄介なのは、抗菌剤が効いても嚥下機能が回復しないため、すぐに再発することです。それを鍛えるには、とにかくおしゃべりをすること、寝ている間に雑菌が肺に入らないように枕を高めにすること、肺炎球菌ワクチンを打つことです」

 肺炎球菌ワクチンは肺炎全体の2~3割程度にしか効かないといわれるものの、誤嚥性肺炎の2~5割を抑えられるとの報告もある。老親には勧めるべきだろう。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    日本は強い国か…「障害者年金」を半分に減額とは

  2. 2

    SBI新生銀が「貯金量107兆円」のJAグループマネーにリーチ…農林中金と資本提携し再上場へ

  3. 3

    巨人が李承燁コーチ就任を発表も…OBが「チグハグ」とクビを傾げるFA松本剛獲得の矛盾

  4. 4

    「おこめ券」でJAはボロ儲け? 国民から「いらない!」とブーイングでも鈴木農相が執着するワケ

  5. 5

    NHK朝ドラ「ばけばけ」が途中から人気上昇のナゾ 暗く重く地味なストーリーなのに…

  1. 6

    侍Jで加速する「チーム大谷」…国内組で浮上する“後方支援”要員の投打ベテラン

  2. 7

    石破前首相も参戦で「おこめ券」批判拡大…届くのは春以降、米価下落ならありがたみゼロ

  3. 8

    阿部巨人に大激震! 24歳の次世代正捕手候補がトレード直訴の波紋「若い時間がムダになっちゃう」と吐露

  4. 9

    ドジャース首脳陣がシビアに評価する「大谷翔平の限界」…WBCから投打フル回転だと“ガス欠”確実

  5. 10

    高市政権の物価高対策「自治体が自由に使える=丸投げ」に大ブーイング…ネットでも「おこめ券はいらない!」