筋力低下でがん死亡率上昇 「サルコペニア」をどう避ける

公開日: 更新日:

 日本人の2人に1人ががんになり、3人に1人ががんで死亡する時代。いずれ自分もがんになることを覚悟する必要があるが、それに備えて健康なうちからやっておくべきことがある。筋肉量の維持だ。年を取るなどして筋肉量と筋力がどんどん低下する状態をサルコペニアと言う。歩く速度が遅くなったり、転倒・骨折の原因であることが知られているが、その状態でがん治療を受けると「死亡率が上昇する」という。産業医科大学第1外科講師の佐藤典宏医師に聞いた。

「これまでの研究で、サルコペニアがある患者さんは術後の合併症リスクが高くなり、生存率が低下することが報告されています。実際、937人の胃切除を受けた胃がん患者さんを対象にした海外の大規模なコホート研究では、サルコペニアがある患者さんでは重症の術後合併症が発生するリスクが3倍も高いことがわかっています」

 そのリスクは驚くべきもので、複数の研究によると、サルコペニアがある患者では手術後の死亡リスクが、肝臓がんで3.19倍、すい臓がんで1.63倍、大腸がんで1.85倍、大腸がんの肝転移が2.69倍も高くなると報告されている。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    西武ならレギュラー?FA権行使の阪神・原口文仁にオリ、楽天、ロッテからも意外な需要

  2. 2

    家族も困惑…阪神ドラ1大山悠輔を襲った“金本血縁”騒動

  3. 3

    9000人をリストラする日産自動車を“買収”するのは三菱商事か、ホンダなのか?

  4. 4

    兵庫県知事選・斎藤元彦氏の勝因は「SNS戦略」って本当?TV情報番組では法規制に言及したタレントも

  5. 5

    小泉今日子×小林聡美「団地のふたり」も《もう見ない》…“バディー”ドラマ「喧嘩シーン」への嫌悪感

  1. 6

    国内男子ツアーの惨状招いた「元凶」…虫食い日程、録画放送、低レベルなコース

  2. 7

    ヤンキース、カブス、パドレスが佐々木朗希の「勝気な生意気根性」に付け入る…代理人はド軍との密約否定

  3. 8

    首都圏の「住み続けたい駅」1位、2位の超意外! かつて人気の吉祥寺は46位、代官山は15位

  4. 9

    兵庫県知事選・斎藤元彦氏圧勝のウラ パワハラ疑惑の前職を勝たせた「同情論」と「陰謀論」

  5. 10

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇