「病気じゃない」が蔓延…便秘を今度こそきちんと治す

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 専門医によれば、日本の便秘治療は「世界的に見て特異な状況」だという。まともな治療は行われていないといっても過言ではないかもしれない。

「患者数が多いのに、医者も患者も便秘を病気ではないと思っている」

 こう指摘するのは、横浜市立大学肝胆膵消化器病学教室主任教授の中島淳医師。医師になる過程で、便秘の治療について学ぶ・教える機会はない。中島医師が医師になりたてのころ、先輩から「便秘は放っておけ」「便秘には酸化マグネシウム“だけ”出しておけばいい」などと言われたそうだが、その状況は現在も変わっていない。

「酸化マグネシウムは適量を超えて出すと不整脈などのリスクがあり、死亡例も報告されています。ところが、適正使用があまりに守られていない。別の病院で倍量や3倍量、出されていた患者さんを診たこともあります」

 便秘は、慢性化すると治らない。早い段階で手を打つ必要があるが、日本の場合、容易に慢性化する流れができている。

 便秘でつらいが様子を見る→我慢できなくなって病院を受診→大腸内視鏡検査など種々の検査の結果、「安心してください」と言われる→市販の便秘薬を自己流で使い始める→便秘薬の量が増える→慢性便秘で治らない段階に至る――パターンだ。

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