著者のコラム一覧
永田宏長浜バイオ大学元教授、医事評論家

筑波大理工学研究科修士課程修了。オリンパス光学工業、KDDI研究所、タケダライフサイエンスリサーチセンター客員研究員、鈴鹿医療科学大学医用工学部教授を歴任。オープンデータを利用して、医療介護政策の分析や、医療資源の分布等に関する研究、国民の消費動向からみた健康と疾病予防の解析などを行っている。「血液型 で分かるなりやすい病気なりにくい病気」など著書多数。

胆のう・胆管がん手術を受けられる患者はごく一部

公開日: 更新日:

「胆管」は肝臓でつくられる胆汁を十二指腸に運ぶ管、「胆のう」はその途中で胆汁を一時的に保存する袋状の臓器です。どちらのがんも、手術は全摘が基本になります。2014年度の手術件数を表にまとめました。

 件数がかなり少ないことに、すぐにお気づきになったはずです。胆のう・胆管がんの新規患者数は2012年において男女とも約1万2000人。

 2014年度には、これより少し増えているはずです。ところが合計手術件数は男性で約1800件、女性では1400件に達していません。つまり、新規患者のうち実際に手術を受けているのは男性で15%、女性で11%ほどに過ぎないということです。胆のう・胆管がんは、何らかの自覚症状が出たときには、すでに手遅れになっているケースが多いといわれています。また患者の多くが実はかなり高齢で、手術に耐えられない、耐えられても術後の回復が困難などの事情を抱えているのです。

 その他に、胆石などで胆のう全摘を受けた際に、偶然がんが見つかることがあります。その場合、患者は「胆のうがん」として登録されます。胆のうがんの新規患者のうち、男女合わせて800~1000人ほどが、そのようにして見つかっています。この場合は、がんが胆のう内にとどまっているため、追加の手術は行われません。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    侍ジャパンに日韓戦への出場辞退相次ぐワケ…「今後さらに増える」の見立てまで

  2. 2

    大谷翔平は米国人から嫌われている?メディアに続き選手間投票でもMVP落選の謎解き

  3. 3

    “新コメ大臣”鈴木憲和農相が早くも大炎上! 37万トン減産決定で生産者と消費者の分断加速

  4. 4

    侍J井端監督が仕掛ける巨人・岡本和真への「恩の取り立て」…メジャー組でも“代表選出”の深謀遠慮

  5. 5

    阪神の日本シリーズ敗退は藤川監督の“自滅”だった…自軍にまで「情報隠し」で選手負担激増の本末転倒

  1. 6

    新米売れず、ささやかれる年末の米価暴落…コメ卸最大手トップが異例言及の波紋

  2. 7

    藤川阪神で加速する恐怖政治…2コーチの退団、異動は“ケンカ別れ”だった

  3. 8

    矢地祐介との破局報道から1年超…川口春奈「お誘いもない」プライベートに「庶民と変わらない」と共感殺到

  4. 9

    渡邊渚“逆ギレ”から見え隠れするフジ退社1年後の正念場…現状では「一発屋」と同じ末路も

  5. 10

    巨人FA捕手・甲斐拓也の“存在価値”はますます減少…同僚岸田が侍J選出でジリ貧状態