「食べる力」は取り戻せる “不可能”診断に2つの問題点

公開日: 更新日:

「食物を口のどこに接地するか」にもコツがある。舌運動や口唇閉鎖をうまく誘導し、飲み込みを助ける位置に置くことがポイントだ。口腔内衛生を整えることも欠かせない。

 ここに挙げたのはほんの一例。「正しい食事介助法」を知らないばかりに、誤嚥を引き起こしたり、「本人が食べたがらない」という結果を招く。食事介助をする側に問題があるのに、「介助される側に問題あり=経口摂取不可能」とされがちなのだ。

 これら2つの問題点を踏まえて、まず重要なのは「口から食べたい」という確固たる意志を、患者家族が医療者側にしっかりと表示すること。

 その上で、嚥下機能を見る検査の確認、食べるための訓練の有無、胃ろうを勧められた場合はその理由を問い合わせる。医療従事者と積極的にコミュニケーションを取ることが大切。小山氏のセミナーに参加し、食事介助の方法を身につける手もある。病院にお任せでは、「口から食べる幸せを守る」ことは困難なのだ。

▽小山珠美(こやま・たまみ)
看護師で、国内の食事介助の第一人者。著書に「口から食べる幸せを守る」など

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    菊間千乃氏はフジテレビ会見の翌日、2度も番組欠席のナゼ…第三者委調査でOB・OGアナも窮地

  2. 2

    “3悪人”呼ばわりされた佐々木恭子アナは第三者委調査で名誉回復? フジテレビ「新たな爆弾」とは

  3. 3

    フジテレビ問題でヒアリングを拒否したタレントU氏の行動…局員B氏、中居正広氏と調査報告書に頻出

  4. 4

    フジテレビ“元社長候補”B氏が中居正広氏を引退、日枝久氏&港浩一氏を退任に追い込んだ皮肉

  5. 5

    フジ調査報告書でカンニング竹山、三浦瑠麗らはメンツ丸潰れ…文春「誤報」キャンペーンに弁明は?

  1. 6

    おすぎの次はマツコ? 視聴者からは以前から指摘も…「膝に座らされて」フジ元アナ長谷川豊氏の恨み節

  2. 7

    大阪万博を追いかけるジャーナリストが一刀両断「アホな連中が仕切るからおかしなことになっている」

  3. 8

    NHK新朝ドラ「あんぱん」第5回での“タイトル回収”に視聴者歓喜! 橋本環奈「おむすび」は何回目だった?

  4. 9

    歌い続けてくれた事実に感激して初めて泣いた

  5. 10

    フジ第三者委が踏み込んだ“日枝天皇”と安倍元首相の蜜月関係…国葬特番の現場からも「編成権侵害」の声が