「食べる力」は取り戻せる “不可能”診断に2つの問題点

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「食物を口のどこに接地するか」にもコツがある。舌運動や口唇閉鎖をうまく誘導し、飲み込みを助ける位置に置くことがポイントだ。口腔内衛生を整えることも欠かせない。

 ここに挙げたのはほんの一例。「正しい食事介助法」を知らないばかりに、誤嚥を引き起こしたり、「本人が食べたがらない」という結果を招く。食事介助をする側に問題があるのに、「介助される側に問題あり=経口摂取不可能」とされがちなのだ。

 これら2つの問題点を踏まえて、まず重要なのは「口から食べたい」という確固たる意志を、患者家族が医療者側にしっかりと表示すること。

 その上で、嚥下機能を見る検査の確認、食べるための訓練の有無、胃ろうを勧められた場合はその理由を問い合わせる。医療従事者と積極的にコミュニケーションを取ることが大切。小山氏のセミナーに参加し、食事介助の方法を身につける手もある。病院にお任せでは、「口から食べる幸せを守る」ことは困難なのだ。

▽小山珠美(こやま・たまみ)
看護師で、国内の食事介助の第一人者。著書に「口から食べる幸せを守る」など

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