朝起きたらぐっしょり…「寝汗」には意外な病気が潜む
「朝起きたら寝汗でぐっしょりだった」――。誰にでもこんな経験はあるはずだ。寝汗をかくのは寝苦しさから動き回ったり、精神的ストレスのせいだけではない。病気が関わっていることもある。あなたは大丈夫?
人間は寝ている間も汗をかく。そのシステムは起きているときとは違う。汗の専門家である菅屋潤壹・愛知医科大学名誉教授(生理学)が言う。
「起きているときの汗は上がり過ぎた体温を適正に戻すため。しかし、睡眠中の汗は体温を一気に下げるためです。寝る前に手足が温かくなるのは皮膚の毛細血管を拡張させて、たまった熱を体外へ逃すため。これに伴って汗が出て急速に体温が下がるのです。眠りに入ると、その深さによって汗の量が変わります」
睡眠には眼球運動を伴わないノンレム睡眠と、伴うレム睡眠がある。ノンレム睡眠は「脳の休息と体のメンテナンス」を行い、4つのステージに分かれる。レム睡眠は「記憶の整理」が行われる。睡眠直後はノンレム睡眠に入り、どんどん眠りが深くなる。ノンレム睡眠では汗をかき、睡眠のステージが進むにつれてその量が増えていく。