漫画家・東海林さだお氏 肝細胞がんと闘い辿り着いた境地

公開日: 更新日:

 世の中に“病気自慢”の人は多くいます。でも、ぼくは風邪もあまりひかない、つい自分を過信してしまうような、年の割には健康な部類で、日頃から好きなだけ飲んで食べて、「ぼくの辞書には節制という文字はない」という日常でした。

 とはいえ、健康を気にしていないというわけでもなく、年に1度の人間ドックも欠かさず行い、3年前までは特に引っかかることもなかったんです。ところが、一昨年(2015年)の秋、突如として肝臓のがんマークが跳ね上がり、かかりつけの医者に「大病院で検査をしてもらったほうがいい」と言われました。検査の結果、「肝細胞がん」だと告げられました。

 そう言われて「ガーン」としない人はいないと思いますが、主治医はごく普通に病名を告げるんです。ぼくの知識では、がんだったらまず家族に知らせる。そして家族が本人をおもんぱかって隠すか告知するか決める……というシナリオがあったので、「どうやらそういう時代ではなくなったらしい」と思ったことを覚えています。

 肝臓の左上部に影があり、それががん細胞の疑いがあること。それを手術で切り取ること。手術したら転移している可能性もあるが、その場合、転移の範囲が広いと手術は諦めて抗がん剤や放射線の治療を考えること。そんな説明を受けました。主治医は温厚にして磊落な人で、冗談を織り交ぜつつ話をしてくれるので、気分的には助かりました。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    1年ぶりNHKレギュラー復活「ブラタモリ」が好調も…心配な観光番組化、案内役とのやり取りにも無理が

  2. 2

    大リストラの日産自動車に社外取締役8人が「居座り」の仰天…責任問う大合唱が止まらない

  3. 3

    眞子さん極秘出産で小室圭さんついにパパに…秋篠宮ご夫妻に初孫誕生で注目される「第一子の性別」

  4. 4

    広島新井監督がブチギレた阪神藤川監督の“無思慮”…視線合わせて握手も遺恨は消えず

  5. 5

    故・川田亜子さんトラブル判明した「謎の最期」から16年…TBS安住紳一郎アナが“あの曲”を再び

  1. 6

    三山凌輝活動休止への遅すぎた対応…SKY-HIがJYパークになれない理由

  2. 7

    所属先が突然の活動休止…体操金メダリストの兄と28年ロス五輪目指す弟が苦難を激白

  3. 8

    大阪万博は値下げ連発で赤字まっしぐら…今度は「駐車場料金」を割引、“後手後手対応”の根本原因とは

  4. 9

    芳根京子“1人勝ち”ムード…昭和新婚ラブコメ『めおと日和』大絶賛の裏に芸能界スキャンダル続きへのウンザリ感

  5. 10

    国民民主党・玉木代表は今もって家庭も職場も大炎上中…「離婚の危機」と文春砲