50代の6割が発症する白内障 術後のメガネ作りのポイント
しかし、慌ててメガネを作って失敗する人もいるというから注意したい。「梶田眼科」(東京・港区)院長の梶田雅義氏は言う。
「一般的には、術後1カ月半は時間を置いてからメガネを作るように指導しています。水晶体の代わりに入れた眼内レンズが安定して視力が落ち着くまではある程度の時間がかかるのです。手術法の進歩によって、いまは昔ほどは視力の変動が起こらなくなっていますが、やはり1カ月半くらいの期間をみてからメガネを作った方が安心です」
挿入する眼内レンズは、手術前にどれくらいの度数にするかを相談して決める。もともと強い近視だった人の場合、いきなり強い度数の眼内レンズを入れると見えすぎてフィットしないケースが多いため、眼内レンズはそこそこの度数にしておいて、メガネで調整するのが一般的だ。
■「レンズの保証期間」のチェックを
また、白内障の手術を受ける前から老眼鏡や乱視用のメガネをかけていた人は、術後はそれまで使っていたメガネが合わなくなる。遠近両用の多焦点レンズもあるが保険適用外で高額なうえ、どうしても解像度が落ちるので見え方が曖昧になる。乱視用の眼内レンズは保険適用だが、乱視は矯正しきれないケースが多い。そのため、眼内レンズは単焦点を入れておいて、メガネで調整するのが快適だという。やはり、白内障の手術後はメガネが必要になるのだ。