白内障の手術をすると長生き? 眼科専門誌に驚きのデータ
白内障というのは、カメラのレンズの役目を果たしている目の水晶体という部分が白く濁ってしまうという病気で、目の老化による変化のひとつです。白内障が進行すると、視力は低下して、物はぼやけて見え、光をとてもまぶしく感じます。
白内障の治療は手術で、白く濁った水晶体を吸い出すようにして取り除き、そこに人工のレンズを挿入します。人工のレンズは自然のレンズのように焦点を調節できないので、手術後も見づらい距離を見るためには眼鏡などによる矯正が必要ですが、最近では多焦点のレンズも使われるようになっています。白内障の手術は局所麻酔で短時間で終わります。とはいっても手術ですから、医師から勧められても、躊躇される方も多いと思います。
今年の眼科の専門誌に、「白内障を手術した方が、放置するよりその後の死亡のリスクが6割も低下する」というビックリするようなデータが発表されました。
死亡の原因では、感染症や血管の病気、肺や神経の病気など、目とは無関係と思えるような病気による死亡も、同じように減少していました。その正確な原因は不明ですが、目がよく見えるようになることで、気持ちも前向きになり活動的になることが、そのひとつの原因として考えられます。白内障の手術をすることは、健康に長生きするためには意義のあることなのかもしれません。