記憶や運動能力も良くなる? コーヒーの効果とメカニズム

公開日: 更新日:

 アデノシンとは遺伝子の本体となるDNA(デオキシリボ核酸)や遺伝情報の伝達やタンパク質の合成などに関わるRNAの材料であり、生命のエネルギー通貨と呼ばれるATP(アデノシン三リン酸)を構成する物質。細胞外にもわずかながら存在し、抑制性神経伝達物質として働く。

 細胞の表面にあるARに結合することで神経活動は安定化する。逆に結合が遮断されると神経細胞は興奮する。そのため、わずかな量であっても体に変化を与えることができるという。

 例えば、仕事や運動で脳が疲労するとエネルギー(ATP)代謝の残りカスとしてアデノシンが産出される。それが大脳基底核にあるARと結合すると、興奮や覚醒、快楽や不安などの情動が抑えられて眠気を催す。

「一方、カフェインの分子構造はこのアデノシンと似ているため、ARに結合することでアデノシンの作用を遮断する。間接的に興奮性神経伝達物質のグルタミン酸やドーパミンなどを放出させて、大脳基底核から線条体や大脳皮質に投射する神経回路を興奮させるのです」


■神経を抑制する物質を抑制する

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    高画質は必要ない? 民放各社が撤退検討と報じられた「BS4K」はなぜ失敗したのですか?

  2. 2

    大手家電量販店の創業家がトップに君臨する功罪…ビック、ノジマに続きヨドバシも下請法違反

  3. 3

    落合監督は投手起用に一切ノータッチ。全面的に任せられたオレはやりがいと緊張感があった

  4. 4

    自民党総裁選の“本命”小泉進次郎氏に「不出馬説」が流れた背景

  5. 5

    「二股不倫」永野芽郁の“第3の男”か? 坂口健太郎の業界評…さらに「別の男」が出てくる可能性は

  1. 6

    今思えばあの時から…落合博満さんが“秘密主義”になったワケ

  2. 7

    世界陸上「前髪あり」今田美桜にファンがうなる 「中森明菜の若かりし頃を彷彿」の相似性

  3. 8

    三谷幸喜がスポーツ強豪校だった世田谷学園を選んだワケ 4年前に理系コースを新設した進学校

  4. 9

    広陵暴力問題の闇…名門大学の推薦取り消し相次ぎ、中井監督の母校・大商大が「落ち穂拾い」

  5. 10

    佐々木朗希いったい何様? ロッテ球団スタッフ3人引き抜きメジャー帯同の波紋