40代女性が肺がんで死亡 検診の見落としを防ぐには?
相次ぐがんの見落とし報道に不安を感じている人は、少なくないでしょう。
今回発覚したのは東京・杉並区の河北健診クリニックで、40代の女性が胸部X線検査を受けたところ、肺がんを見落とされて、今年6月に死亡したといいます。
一連の報道などによると、女性は2005~18年にクリニックの健診を計10回受けたそうで、そのうち14年と15年に企業健診として受けた分と、今年1月に区で実施した肺がん検診で、画像に腫瘤の影が映っていながら「異常なし」と診断されていました。
この連載でも取り上げましたが、東京慈恵医大や千葉大などで相次いだがんの見落としは、CTなどの画像をチェックした放射線科医が、がんの可能性を指摘していながら、その報告書を受け取った主治医が報告書を十分確認せず、がんの診断情報が共有されないことによる見落としでした。今回の見落としは、これらの見落としとは、決定的に違います。
河北健診クリニックでは、内科医と放射線科医が胸部X線検査の結果をダブルチェック。14年の企業健診では内科医が「要精密検査」と診断した一方、放射線科医は乳頭が写っていると「異常なし」に。判断が分かれたのに、より専門性が高いという理由で、放射線科医の意見が優先されたことに問題があります。