お年寄りにも優しく簡便ながん検診の進歩に期待したい
最近、ある町を旅した時のことです。町の役場に勤める50代の課長さんと、人口減少、空き家の増加、町の診療所や介護施設などについて話していたところ、「今の高齢者は何が一番幸せか?」という話題になりました。
課長さんによると、町にはひとり暮らしで90歳を過ぎた方が増えたといいます。これだけを聞くと、かわいそうにも思えますが、決してそうでもないというのです。毎日わずかでも畑を耕して自分が食べる分の野菜を作り、「この生活が一番の幸せだ」とおっしゃる方ばかりだそうです。
「病気だったり、体が動かなくなったら施設にお世話になるのも仕方がない。でも、子供の世話になるために都会に引っ越して狭い部屋に住むよりは、土いじりをしていた方がずっと幸せだと言うのです。ご先祖さまからいただいた家と畑を守るといって、都会から戻られた方もいます。やはり、日本人は農耕民族なんですね。そういった方々を町がどうサポートするかが大切なことだと思っています」
そのためにも、課長さんは、お年寄りもがん検診を受けるようにすすめているそうです。