ストレスでリスク上昇 「不幸はがんを呼ぶ」は本当だった

公開日: 更新日:

ストレスを抱えた男性は喫煙や飲酒、暴飲暴食といったがんリスクの高い生活習慣に走る傾向があります。研究結果が統計学的な修正を行った上であってもその影響は残り、長期の自覚的ストレス=発がんリスクとはいえない部分もあります。それでも、発がんの引き金になることは間違いない。リスクはあるということでしょう」

 なぜ、長期の自覚的ストレスががんを引き起こすのか? そのメカニズムは明確にはわかっていない。ただ脳の扁桃体が不安や恐怖などのストレスを感じるとストレス反応が起こり、「コルチゾール」などのストレスホルモンが過剰に分泌され、記憶をつかさどる脳の海馬などの神経細胞の突起を変化させたり、自律神経を興奮させたりして脳の機能低下を起こしたり、心拍数が増えたり、血圧を上げたりする。その結果、うつ病などの神経疾患やアレルギー、脳卒中糖尿病などの病気を引き起こすことがわかっている。

 脳の不調は消化器機能に影響を及ぼすこともわかっている。

 例えばストレスによって脳内の視床下部で合成されるCRFが増加、肝臓の生理作用を低下させることなどが報告されている。

「肝臓がストレスに弱いことは臨床現場ではよく知られた話です」

 また、動物実験では免疫機能の低下を通じて他の肝疾患を発症し、発がんに至ることが報告されている。肝がんは特にストレスの影響を受けやすいと考えられるという。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    安青錦は大関昇進も“課題”クリアできず…「手で受けるだけ」の立ち合いに厳しい指摘

  2. 2

    阿部巨人に大激震! 24歳の次世代正捕手候補がトレード直訴の波紋「若い時間がムダになっちゃう」と吐露

  3. 3

    マエケン楽天入り最有力…“本命”だった巨人はフラれて万々歳? OB投手も「獲得失敗がプラスになる」

  4. 4

    中日FA柳に続きマエケンにも逃げられ…苦境の巨人にまさかの菅野智之“出戻り復帰”が浮上

  5. 5

    今田美桜に襲い掛かった「3億円トラブル」報道で“CM女王”消滅…女優業へのダメージも避けられず

  1. 6

    高市政権の“軍拡シナリオ”に綻び…トランプ大統領との電話会談で露呈した「米国の本音」

  2. 7

    エジプト考古学者・吉村作治さんは5年間の車椅子生活を経て…80歳の現在も情熱を失わず

  3. 8

    日中対立激化招いた高市外交に漂う“食傷ムード”…海外の有力メディアから懸念や皮肉が続々と

  4. 9

    安青錦の大関昇進めぐり「賛成」「反対」真っ二つ…苦手の横綱・大の里に善戦したと思いきや

  5. 10

    石破前首相も参戦で「おこめ券」批判拡大…届くのは春以降、米価下落ならありがたみゼロ