<12>がん細胞はどのように浸潤・転移するのか?

公開日: 更新日:

 がん細胞には、「外からの信号を無視して勝手に増殖する」「増殖を抑えるシグナルから逃れる」「無限の増殖をする」「アポトーシス(自死)の回避」「血管新生の形成」など6つほどの特徴があるといわれる。その1つが「浸潤と転移」だ。

 浸潤とはがん細胞が周囲の器官に直接広がっていくこと。転移とはがん細胞が最初に発生した場所から血液やリンパに乗って別の臓器や器官にたどり着き、そこで増えることを言う。

 では、がん細胞はどのようにして浸潤を果たすのか? 最新のがん情報にも詳しい国際医療福祉大学病院内科学の一石英一郎教授が言う。

「正常な上皮細胞(皮膚や消化管などの粘膜、内外の分泌腺などの総称)はE―カドヘリンというタンパク質によって細胞同士が互いに手を取り合った状態にあります。細胞には上下があり、これを極性と言います。がん細胞はE―カドヘリンに異常をもたらすなどして、相互に固く結合し合っている上皮細胞を、動き回れる細胞へと転換させます。そのことで極性を喪失させ、隣り合った上皮細胞の結合を解体させて、がん細胞を移動させるのです」

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    相撲協会の逆鱗に触れた白鵬のメディア工作…イジメ黙認と隠蔽、変わらぬ傲慢ぶりの波紋と今後

  2. 2

    中居正広はテレビ界でも浮いていた?「松本人志×霜月るな」のような“応援団”不在の深刻度

  3. 3

    キムタクと9年近く交際も破局…通称“かおりん”を直撃すると

  4. 4

    《2025年に日本を出ます》…團十郎&占い師「突然ですが占ってもいいですか?」で"意味深トーク"の後味の悪さ

  5. 5

    ヤンキース、カブス、パドレスが佐々木朗希の「勝気な生意気根性」に付け入る…代理人はド軍との密約否定

  1. 6

    中居正広の女性トラブルで元女優・若林志穂さん怒り再燃!大物ミュージシャン「N」に向けられる《私は一歩も引きません》宣言

  2. 7

    結局《何をやってもキムタク》が功を奏した? 中居正広の騒動で最後に笑いそうな木村拓哉と工藤静香

  3. 8

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  4. 9

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  5. 10

    高校サッカーV前橋育英からJ入りゼロのなぜ? 英プレミアの三笘薫が優良モデルケース