早期発見のカギは“がんのささやき” miRNAの意外な役割

公開日: 更新日:

 前々回、腫瘍マーカーの多くが、がんの塊の中で血液が届かずに死んで、血液中に流れているがん細胞の死骸であること、そのため、がんがある程度成長していなければ、腫瘍マーカーは発見できにくいことなどを説明した。

 では、血液検査だけで、微小がんを見つけることは不可能なのだろうか?

「その答えとして近年注目されているのが、miRNA(以下マイクロRNA)とエクソソームと呼ばれる細胞内小器官です」

 こう言うのは、国際医療福祉大学付属病院内科学の一石英一郎教授だ。人間は37兆個の細胞で構成されている。その一つ一つの細胞の核の中には遺伝情報が保存されているDNAがあり、その周りにはDNAと、化学構造がよく似たRNAがある。

「RNAからはDNAのコピーであるmRNA(以下メッセンジャーRNA)が作られます。それがリボソームと呼ばれるタンパク質合成工場に移動して情報が翻訳され、同じRNAから作られたtRNA(トランスファーRNA)が運んでくるアミノ酸を使って、タンパク質を合成するのです」(一石教授)

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    八角理事長が明かした3大関のそれぞれの課題とは? 豊昇龍3敗目で今場所の綱とりほぼ絶望的

  2. 2

    フジテレビにジャニーズの呪縛…フジ・メディアHD金光修社長の元妻は旧ジャニーズ取締役というズブズブの関係

  3. 3

    元DeNAバウアーやらかし炎上した不謹慎投稿の中身…たびたびの“舌禍”で日米ともにソッポ?

  4. 4

    松本人志は「女性トラブル」で中居正広の相談に乗るも…電撃引退にショック隠しきれず復帰に悪影響

  5. 5

    ついに不動産バブル終焉か…「住宅ローン」金利上昇で中古マンションの価格下落が始まる

  1. 6

    フジテレビ顧問弁護士・菊間千乃氏に何が?「羽鳥慎一モーニングショー」急きょ出演取りやめの波紋

  2. 7

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  3. 8

    菊間千乃は元女子アナ勝ち組No.1! フジテレビ退社→弁護士→4社で社外取締役の波瀾万丈

  4. 9

    中居正広「引退」で再注目…フジテレビ発アイドルグループ元メンバーが告発した大物芸能人から《性被害》の投稿の真偽

  5. 10

    中居正広「華麗なる女性遍歴」とその裏にあるTV局との蜜月…ネットには「ジャニーさんの亡霊」の声も