料理研究家の相田幸二さん 1型糖尿病で一時はどん底に…
食欲もないまま新年を迎え、数日東京で過ごした後、地元の仙台に戻ると受診したクリニックから電話があり、「ちょっと大変なので、すぐ救急車を呼んで大きな病院へ行ってください」と告げられました。
何がどう大変だったのかというと、「血糖値が600㎎/デシリットル以上ある」とのこと。健康体なら高くても140㎎/デシリットル程度なので、まさしく異常事態です。
総合病院の糖尿病科を受診すると即入院となって、「1型糖尿病」と診断されたのです。生活習慣病ともいわれている一般的な糖尿病は、2型糖尿病のこと。ただ、2型の中にも不摂生が原因じゃない人もいるんですけどね。
一方の1型は小児糖尿病といわれていた病気で、原因は不明です。分かっているのは自己免疫によってインスリンを出す細胞を攻撃してしまい、インスリンが出にくくなるということ。遺伝でも食生活でもなく、防ぎようがないといわれている病気です。
医師から「今の医学では不治の病。インスリン注射は一生です」と言われたときは、どん底に落ちました。インターネットでも「寿命が短い」とか、「合併症が出ると余命5年」といった極端に偏った情報であふれていて、「俺はもうダメなんだろうな」と思ってしまったんです。