長寿に剣道 うつ吹き飛ばし転倒リスク減少など体力に自信
むろん、年齢に応じた剣道を目指すという楽しみ方もあり、剣道を生涯楽しむことができる。その健康効果も実証済みだ。京都学園大学健康医療学部の研究者がまとめた「高齢の剣道高段者における健康・体力と生活状況」という論文が明らかにしている。京都市内在住の60歳以上の3段から8段までの275人の生活状況や体格・体力などを調査し、同年代の一般男性のうち運動をしている群(運動群)としていない群(非運動群)と比べたもの。
それによると、開眼片足立ち、10㍍ 歩行速度などを除けば、身長や体重などの体格面や垂直跳び、握力などの体力面での値で最も高いのは剣道群で、以下運動群、非運動群の順だった。また、日常役割機能、身体の痛み、活力、全体の健康感、社会生活機能、心の健康のいずれもが剣道群が高かったという。
「興味深いのは、剣道をしている人は健康に自信を持っていることです。“非常に健康”と言っているのは剣道群が22・5%に対して、“あまり健康でない”“健康でない”としたのは非運動群でそれぞれ12・3%、1・2%でした」(林院長)
体力への自信も剣道群の13・8%が「大いに自信あり」としているのに対して非運動群は「少し不安」(33・8%)、「大いに不安」(3・8%)だった。