のどだけじゃない…お餅による消化管の閉塞・穿孔に要注意

公開日: 更新日:

 餅の事故というと高齢者がのどに詰まらせることをイメージしがちだ。しかし、お餅を腸に詰まらせる中高年も少なくない。注意が必要だ。「北品川藤クリニック」(東京・品川区)の石原藤樹院長に聞いた。

「お餅を丸のみしてのどは無事通過したものの、小腸などで餅が詰まったり、その影響で腸管に穴が開いたりするなどの消化器障害を起こすことは珍しいことではありません。それで治療・入院するケースは全国の病院で少なからず報告されています」

 2013年の日本消化器病学会誌に発表された「餅により消化管障害(イレウス、潰瘍)をきたした8症例の検討」では、63歳のある男性の例が報告されている。入れ歯を外したまま、雑煮の餅を丸のみし、翌朝からお腹が膨らむとともに吐き気・嘔吐に苦しみ、発症から2日後に入院したという。病院では腹部CTで小腸を閉塞している餅を確認。「餅による小腸イレウス(腸管麻痺により腸管蠕動運動が低下すること)と診断し、絶飲食、補液などによる治療を開始したところ、腹痛は改善。翌日には餅は直腸内に移動、その日のうちに餅はその形を保ったまま排泄されたという。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  2. 2

    “氷河期世代”安住紳一郎アナはなぜ炎上を阻止できず? Nキャス「氷河期特集」識者の笑顔に非難の声も

  3. 3

    不謹慎だが…4番の金本知憲さんの本塁打を素直に喜べなかった。気持ちが切れてしまうのだ

  4. 4

    バント失敗で即二軍落ちしたとき岡田二軍監督に救われた。全て「本音」なところが尊敬できた

  5. 5

    大阪万博の「跡地利用」基本計画は“横文字てんこ盛り”で意味不明…それより赤字対策が先ちゃうか?

  1. 6

    大谷翔平が看破した佐々木朗希の課題…「思うように投げられないかもしれない」

  2. 7

    大谷「二刀流」あと1年での“強制終了”に現実味…圧巻パフォーマンスの代償、2年連続5度目の手術

  3. 8

    国民民主党は“用済み”寸前…石破首相が高校授業料無償化めぐる維新の要求に「満額回答」で大ピンチ

  4. 9

    野村監督に「不平不満を持っているようにしか見えない」と問い詰められて…

  5. 10

    「今岡、お前か?」 マル秘の “ノムラの考え” が流出すると犯人だと疑われたが…