のどだけじゃない…お餅による消化管の閉塞・穿孔に要注意

公開日: 更新日:

 また、85歳の男性は昼食に出された雑煮の餅をよく噛まずに食べたところ、みぞおちに痛みが。「小腸イレウス」と診断され、治療で無事餅は体内から消えたが、その後の検査で胃潰瘍が見つかった。ピロリ菌の感染の疑いが否定され、非ステロイド性抗炎症薬の使用歴もなかったことから餅が原因と判断され、さらなる治療を行い、無事退院したという。

 論文では餅による消化管障害は50~60代が多く、2対1で男性に多いと報告されている。餅を食べてから症状が表れるまで数時間から1日が多く、遅くとも4日以内に表れたという。手術で消化管から摘出した餅のなかには3カ月以上消化されずに腸管内に硬くなって残っていて、穿孔を起こした症例も報告されている。

 それにしても餅は胃や大腸でなく小腸で詰まることが多いのはなぜか?

「胃の出口で、十二指腸(小腸)につながる幽門部を通過できるのは、通常2センチ以下と言われています。しかし、小腸で問題を起こした餅はいずれも2センチ以上だったようです。恐らくは温度が高く形を変えやすい状態の餅なら通過できるのでしょう。ただ、小腸ではお餅の温度が下がり、腸管壁にくっつき、硬くなったために小腸イレウスが発症したと考えられています」

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  2. 2

    米挑戦表明の日本ハム上沢直之がやらかした「痛恨過ぎる悪手」…メジャースカウトが指摘

  3. 3

    陰で糸引く「黒幕」に佐々木朗希が壊される…育成段階でのメジャー挑戦が招く破滅的結末

  4. 4

    9000人をリストラする日産自動車を“買収”するのは三菱商事か、ホンダなのか?

  5. 5

    巨人「FA3人取り」の痛すぎる人的代償…小林誠司はプロテクト漏れ濃厚、秋広優人は当落線上か

  1. 6

    斎藤元彦氏がまさかの“出戻り”知事復帰…兵庫県職員は「さらなるモンスター化」に戦々恐々

  2. 7

    「結婚願望」語りは予防線?それとも…Snow Man目黒蓮ファンがざわつく「犬」と「1年後」

  3. 8

    石破首相「集合写真」欠席に続き会議でも非礼…スマホいじり、座ったまま他国首脳と挨拶…《相手もカチンとくるで》とSNS

  4. 9

    W杯本番で「背番号10」を着ける森保J戦士は誰?久保建英、堂安律、南野拓実らで競争激化必至

  5. 10

    家族も困惑…阪神ドラ1大山悠輔を襲った“金本血縁”騒動