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天野篤順天堂大学医学部心臓血管外科教授

1955年、埼玉県蓮田市生まれ。日本大学医学部卒業後、亀田総合病院(千葉県鴨川市)や新東京病院(千葉県松戸市)などで数多くの手術症例を重ね、02年に現職に就任。これまでに執刀した手術は6500例を超え、98%以上の成功率を収めている。12年2月、東京大学と順天堂大の合同チームで天皇陛下の冠動脈バイパス手術を執刀した。近著に「天職」(プレジデント社)、「100年を生きる 心臓との付き合い方」(講談社ビーシー)、「若さは心臓から築く 新型コロナ時代の100年人生の迎え方」(講談社ビーシー)がある。

妊婦が風疹にかかると胎児に心臓疾患が起こりやすくなる

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 風疹の大流行が続いています。昨年から今年1月中旬までに風疹に感染した人は3000人を超え、厚労省は子供の頃に定期接種の機会がなかった39~46歳の男性を対象に抗体検査とワクチン接種を3年間原則無料にすることを決めています。

 ここ数年、日本で風疹が流行している一因としては、アジア内でのコミュニケーションが増えたことが挙げられるでしょう。アジアには風疹などの感染症が蔓延している国がたくさんあります。そうしたアジア各国から日本にやって来る人が増えたり、逆に日本からそうした国に行く人も多くなったことで、日本人だけの社会ではコントロールできていた風疹が日本に侵入する機会が増えたのです。

 この先、外国人の就労を増やすなどした場合、同時にそうした古くて新たに流行する感染症の問題を日本にもたらすかもしれません。ここ数年の風疹の流行は、ひとつの警鐘として捉えておくべきでしょう。

 風疹と心臓疾患の関わりにおいて、最も注意しなければならないのが妊娠初期の女性の感染です。ワクチン接種歴がなく免疫がない妊娠初期の母親が風疹にかかると、風疹ウイルスが胎児に感染して、出生児に先天性風疹症候群(CRS)と呼ばれる先天性の障害を引き起こすケースがあるのです。

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