GW明けは要注意 帯状疱疹になると脳卒中リスクが3倍に
「知覚神経があるところならどこでも発症するため、発症部位もさまざまです。その中では胸や顔に多い。ただし、中高年だと、ちょっとした湿疹は少なからずある。湿疹の前に生じるピリピリやチクチクした違和感は、帯状疱疹の発症を告げるサインですが、ごく軽いものだと見過ごしやすいし、その後に湿疹ができても、『いつものかな』と手持ちの薬で様子を見ることが少なくありません。それで治療が遅れて、症状が悪化しやすいのです」
英ロンドン大などの研究チームは、英国人6584人を追跡。その結果、帯状疱疹を発症した人は、脳卒中を起こしやすいことを突き止めた。
脳卒中の発症リスクは、帯状疱疹発症後1~4週が1.6倍、5~12週は1.4倍、13~26週は1.2倍。特に顔の三叉神経に発症した場合は高く、それぞれ1.8倍、3.2倍、1.4倍だったという。
「治療は抗ウイルス薬の服用が基本。早いうちにウイルスをしっかり叩かないと、湿疹がなくなっても、神経痛が残ることがある。それが帯状疱疹後神経痛で、医学的には3カ月以上続く痛みを指します。人によっては10年近く続くことも珍しくありません。鈍い痛みから灼熱感、突き刺す痛みなど、痛みの程度は幅広い。初期症状が重いほど、治療が遅れた人ほど神経痛が残りやすいのです」