著者のコラム一覧
天野篤順天堂大学医学部心臓血管外科教授

1955年、埼玉県蓮田市生まれ。日本大学医学部卒業後、亀田総合病院(千葉県鴨川市)や新東京病院(千葉県松戸市)などで数多くの手術症例を重ね、02年に現職に就任。これまでに執刀した手術は6500例を超え、98%以上の成功率を収めている。12年2月、東京大学と順天堂大の合同チームで天皇陛下の冠動脈バイパス手術を執刀した。近著に「天職」(プレジデント社)、「100年を生きる 心臓との付き合い方」(講談社ビーシー)、「若さは心臓から築く 新型コロナ時代の100年人生の迎え方」(講談社ビーシー)がある。

コーヒーは年齢によってマイナス作用が強く表れるケースも

公開日: 更新日:

 コーヒーが健康に及ぼす影響についての研究は世界中でたくさん報告されています。最近では、南オーストラリア大学の研究チームが「コーヒーの過剰摂取は心血管疾患のリスクを上昇させる」と発表しました。

 37歳から73歳までの34万7000人を対象に、カフェインの代謝能力に関係する「CYP1A2遺伝子」の有無を含めてコーヒー摂取量と心血管疾患のリスクとの関連を分析したところ、1日に6杯以上のコーヒーを摂取する人は、1~2杯しか摂取しない人に比べて心血管疾患のリスクが22%上昇することがわかりました。また、コーヒーをまったく摂取しない人も心血管疾患のリスクが約10%アップしています。これらの研究結果を参考にすると、心臓にとっては1日1~2杯のコーヒーを飲むことが望ましいということになります。

 この研究ではコーヒー1杯のカフェイン含有量は70ミリグラムで換算しています。レギュラーコーヒーやインスタントコーヒーは100ミリリットル当たり約60ミリグラムのカフェインが含まれていて、一般的なレギュラーカップ1杯の容量は150ミリリットル前後ですから、やはり5杯を超えると過剰摂取といえそうです。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人が李承燁コーチ就任を発表も…OBが「チグハグ」とクビを傾げるFA松本剛獲得の矛盾

  2. 2

    農水省ゴリ押し「おこめ券」は完全失速…鈴木農相も「食料品全般に使える」とコメ高騰対策から逸脱の本末転倒

  3. 3

    TBS「ザ・ロイヤルファミリー」はロケ地巡礼も大盛り上がり

  4. 4

    維新の政権しがみつき戦略は破綻確実…定数削減を「改革のセンターピン」とイキった吉村代表ダサすぎる発言後退

  5. 5

    3度目の日本記録更新 マラソン大迫傑は目的と手段が明確で“分かりやすい”から面白い

  1. 6

    国分太一“追放”騒動…日テレが一転して平謝りのウラを読む

  2. 7

    粗品「THE W」での“爆弾発言”が物議…「1秒も面白くなかった」「レベルの低い大会だった」「間違ったお笑い」

  3. 8

    阿部巨人に大激震! 24歳の次世代正捕手候補がトレード直訴の波紋「若い時間がムダになっちゃう」と吐露

  4. 9

    「おまえになんか、値がつかないよ」編成本部長の捨て台詞でFA宣言を決意した

  5. 10

    巨人阿部監督の“育成放棄宣言”に選手とファン絶望…ベテラン偏重、補強優先はもうウンザリ