著者のコラム一覧
天野篤順天堂大学医学部心臓血管外科教授

1955年、埼玉県蓮田市生まれ。日本大学医学部卒業後、亀田総合病院(千葉県鴨川市)や新東京病院(千葉県松戸市)などで数多くの手術症例を重ね、02年に現職に就任。これまでに執刀した手術は6500例を超え、98%以上の成功率を収めている。12年2月、東京大学と順天堂大の合同チームで天皇陛下の冠動脈バイパス手術を執刀した。近著に「天職」(プレジデント社)、「100年を生きる 心臓との付き合い方」(講談社ビーシー)、「若さは心臓から築く 新型コロナ時代の100年人生の迎え方」(講談社ビーシー)がある。

朝食を取らない人は心臓を守る手段をひとつ放棄している

公開日: 更新日:

 健康のためには「朝食」が大切だという知見はこれまでたくさん報告されています。そして、心臓疾患にも朝食は大きく関わっているといわれています。

 米国心臓病学会の医学誌には、「まったく朝食を取らない人は、毎日朝食を食べる人と比べて心血管疾患による死亡リスクが増加する」という研究結果が発表されています。88~94年にかけて40~75歳の米国人6550人を対象に平均18・8年の追跡調査を実施。一度も朝食を取らなかった人は、毎日朝食を取る人と比べて心血管疾患による死亡率が87%も高かったことがわかりました。

 この研究ではどんな内容の朝食を取っていたかまではわからず、「朝食を抜くと寿命を縮める」とまでは言えません。しかし、朝食が心臓疾患に対する何らかのリスクと関連していると考えてもいいでしょう。

 これまで報告されている朝食の効果のひとつに「太りにくくなる」というものがあります。朝、食事をすると胃腸が活動を始めて体温が上昇します。その状態を維持するためにエネルギーが消費されるので基礎代謝がアップし、太りにくくなるのです。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    西武ならレギュラー?FA権行使の阪神・原口文仁にオリ、楽天、ロッテからも意外な需要

  2. 2

    家族も困惑…阪神ドラ1大山悠輔を襲った“金本血縁”騒動

  3. 3

    9000人をリストラする日産自動車を“買収”するのは三菱商事か、ホンダなのか?

  4. 4

    兵庫県知事選・斎藤元彦氏の勝因は「SNS戦略」って本当?TV情報番組では法規制に言及したタレントも

  5. 5

    小泉今日子×小林聡美「団地のふたり」も《もう見ない》…“バディー”ドラマ「喧嘩シーン」への嫌悪感

  1. 6

    国内男子ツアーの惨状招いた「元凶」…虫食い日程、録画放送、低レベルなコース

  2. 7

    ヤンキース、カブス、パドレスが佐々木朗希の「勝気な生意気根性」に付け入る…代理人はド軍との密約否定

  3. 8

    首都圏の「住み続けたい駅」1位、2位の超意外! かつて人気の吉祥寺は46位、代官山は15位

  4. 9

    兵庫県知事選・斎藤元彦氏圧勝のウラ パワハラ疑惑の前職を勝たせた「同情論」と「陰謀論」

  5. 10

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇