コーヒーは年齢によってマイナス作用が強く表れるケースも
コーヒーの過剰摂取が心臓に悪影響を与える大きな要因はカフェインです。カフェインは体内でコルチゾールというホルモンの分泌を増加させる働きがあり、コルチゾールは血圧を上昇させたり、心拍数を増やす作用があります。そのため、心臓に過剰に負担をかけたり、不整脈を起こしやすくなるのです。
一方で、コーヒーはポリフェノール系食品として抗炎症化合物や抗酸化物質が多く含まれています。適度な量のコーヒーが心血管疾患のリスクを減らすのはそうした生理活性物質の作用であると考えられます。つまり、コーヒーには心臓にとってプラスとマイナス、両方の影響を与える成分が含まれているということで、過剰摂取するとマイナスの影響が出やすくなってしまうのです。
注意したいのは、過剰といえるほどの量を摂取していなくても、マイナスの作用が強く出てしまうケースがあることです。たとえば、試験勉強をする際、前日の夜にコーヒーをたくさん飲んで目を覚まし、徹夜して試験に臨もうとしたところ、当日はトイレが近くて試験どころではなかった……という人がいます。カフェインの覚醒作用を利用したまではよかったのですが、翌日になって利尿作用がマイナスに働いてしまったわけです。カフェインの作用は、環境や体調によってマイナス面が強く出てしまう場合があるうえ、時間がずれて表れるケースもあるのです。