【肌】紫外線の功罪…皮膚のダメージは60歳ごろから表れる
紫外線のダメージの蓄積は60代ごろから「日光角化症」という病変で表れる場合もある。顔や頭部にできやすく、表面がカサカサしていて、赤くまだら状や黄色いかさぶたの付いたシミのような見た目をしている。いわゆる“前がん症”で、放置すると約20%の確率で転移の恐れのある「有棘細胞がん」に移行するとされるので要注意だ。
「光老化は加齢による皮膚の老化とは質的に違う変化で、皮膚が厚くゴワゴワになり、色も濃くなります。紫外線は皮膚を透過して表皮の下にある真皮で活性酸素を発生させます。その活性酸素によって皮膚の張りを保つコラーゲンや弾性線維が破壊され、毛穴の開き、たるみ、深いシワとなって表れるのです」
これらの紫外線による慢性傷害を防ぐには、これ以上、DNAの傷や活性酸素の発生を増やさないこと。光老化は紫外線防御対策によって、多少なりとも元に戻る可能性があるという。
紫外線の対策は、屋外に出る時は露出している顔や腕などに日焼け止めを塗るのが効果的。日焼け止めには「紫外線吸収剤」と「紫外線散乱剤」がある。散乱剤は塗ると白浮きしやすいが、肌の刺激が少ないので敏感肌の人に向いている。吸収剤は白浮きしにくいので男性に向いているが、敏感肌の人には刺激になる場合がある。一長一短あるので選ぶ際は、薬局の店員に相談するといい。