著者のコラム一覧
永田宏長浜バイオ大学元教授、医事評論家

筑波大理工学研究科修士課程修了。オリンパス光学工業、KDDI研究所、タケダライフサイエンスリサーチセンター客員研究員、鈴鹿医療科学大学医用工学部教授を歴任。オープンデータを利用して、医療介護政策の分析や、医療資源の分布等に関する研究、国民の消費動向からみた健康と疾病予防の解析などを行っている。「血液型 で分かるなりやすい病気なりにくい病気」など著書多数。

乳がん<2>ステージ区分と重視されつつある5つのサブタイプ

公開日: 更新日:

 進行度(ステージ)は、治療方針を決めるうえで重要です。「腫瘍の大きさ」最大径)、「リンパ節転移の有無」「他臓器への転移の有無」決まります。

 最大径が2センチ以下で、かつリンパ節転移がければ「ステージⅠ」。5センチ以下で、脇の下のリンパ節に手で触れる転移が認められれば「ステージⅡ」です。また5センチを超えるものでも、リンパ節転移がなければ「ステージⅡ」に分類されます。一方、他臓器転移があれば、腫瘍の大きさなどによらず「ステージⅣ」。それ以外が「ステージⅢ」です。とくに「肋骨」、「筋肉」(胸筋)、「皮膚」などに腫瘍が広がっているものは、腫瘍の大きさに関わらずステージⅢと判定されます。

 最近では「サブタイプ」と呼ばれる分類が、とくに薬物療法を行ううえで、重視されています。「ホルモン受容体」、「HER2タンパク質」、「Ki67」(乳がんの進行速度を示すマーカー)をもとに、図のように5タイプに分類されています。乳がんのなかには、女性ホルモン(エストロゲン・プロゲステロン)に反応して細胞分裂を活発化させるものがあります(ホルモン受容体陽性)。また細胞分裂を促進させるHER2タンパク質を大量に作り出しているものがあります(HER2陽性)。またKi67が高いと、進行速度が速いと判断されます。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    侍ジャパンに日韓戦への出場辞退相次ぐワケ…「今後さらに増える」の見立てまで

  2. 2

    大谷翔平は米国人から嫌われている?メディアに続き選手間投票でもMVP落選の謎解き

  3. 3

    “新コメ大臣”鈴木憲和農相が早くも大炎上! 37万トン減産決定で生産者と消費者の分断加速

  4. 4

    侍J井端監督が仕掛ける巨人・岡本和真への「恩の取り立て」…メジャー組でも“代表選出”の深謀遠慮

  5. 5

    阪神の日本シリーズ敗退は藤川監督の“自滅”だった…自軍にまで「情報隠し」で選手負担激増の本末転倒

  1. 6

    新米売れず、ささやかれる年末の米価暴落…コメ卸最大手トップが異例言及の波紋

  2. 7

    藤川阪神で加速する恐怖政治…2コーチの退団、異動は“ケンカ別れ”だった

  3. 8

    矢地祐介との破局報道から1年超…川口春奈「お誘いもない」プライベートに「庶民と変わらない」と共感殺到

  4. 9

    渡邊渚“逆ギレ”から見え隠れするフジ退社1年後の正念場…現状では「一発屋」と同じ末路も

  5. 10

    巨人FA捕手・甲斐拓也の“存在価値”はますます減少…同僚岸田が侍J選出でジリ貧状態