著者のコラム一覧
東丸貴信東邦大学名誉教授、平成横浜病院健診センター長

東京大学医学部卒。東邦大学医療センター佐倉病院臨床生理・循環器センター教授、日赤医療センター循環器科部長などを歴任。血管内治療学会理事、心臓血管内視鏡学会理事、成人病学会理事、脈管学会評議員、世界心臓病会議部会長。日本循環器学会認定専門医、日本内科学会認定・指導医、日本脈管学会専門医、心臓血管内視鏡学会専門医。

血液と「貧血」<1>65歳以上の日本人の10%が該当する

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 では、健康体の人がなぜ貧血を招いてしまうのでしょうか。その仕組みについて詳しく説明しましょう。

 原因は大きく分けて2つあります。1つは、失血(大量の出血)です。多くの場合は、徐々に繰り返し発生する出血で、消化器や尿路の異常による出血や生理出血が典型的です。また、交通事故などで外傷を受けたときの急性大量出血では命の危険があります。

 2つ目は、赤血球の産生不足または赤血球の大量破壊です。貧血の中でも鉄分の不足による「鉄欠乏性貧血」が最も多いのですが、ビタミンB12や葉酸の不足によるDNA(生体細胞中に存在する遺伝子の本体)合成障害が原因の悪性貧血もよく見られます。赤血球を作るのに、ビタミンC、リボフラビン(ビタミンB2とも言われる水溶性のビタミン)、銅も、微量ながら必要です。

 また、慢性消耗性疾患(がんなどが原因で痩せるなど体が消耗状態になる)も、赤血球の産生に影響する場合があります。それに、白血病やリンパ腫、他の部位から転移したがんなどにより脊髄浸潤があると、血を産生する骨髄のスペースが置き換えられてしまう結果、赤血球が十分に作られなくなります。

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