著者のコラム一覧
東丸貴信東邦大学名誉教授、平成横浜病院健診センター長

東京大学医学部卒。東邦大学医療センター佐倉病院臨床生理・循環器センター教授、日赤医療センター循環器科部長などを歴任。血管内治療学会理事、心臓血管内視鏡学会理事、成人病学会理事、脈管学会評議員、世界心臓病会議部会長。日本循環器学会認定専門医、日本内科学会認定・指導医、日本脈管学会専門医、心臓血管内視鏡学会専門医。

血液と「貧血」<2>進行が遅いと極度の貧血でも症状表れず

公開日: 更新日:

 前回、貧血が生じる要因は、大きく分けると①失血(大量に出血)②赤血球などの産生不足にあると述べました。産生不足にはさまざまな状態がありますが、鉄分の供給不足が原因となることが一般的です。

女性では月経時の出血が多い場合。

②胃潰瘍やがんで、胃や腸や子宮などから出血が続く場合。

③年齢が若く、急激な成長期などで必要となる鉄分を食事からの摂取で補充できない場合。

 このようなときには、「鉄欠乏性貧血」が起こりやすくなります。

 もちろん、貧血が起こると、体も黙ってはいません。腎臓では、低酸素誘導因子が出て、エリスロポエチン(赤血球の産生を促進する造血因子の一つ)を作ります。赤芽球前駆細胞におけるエリスロポエチン受容体からのシグナルを介して、赤血球造血を刺激することになります。

 このあたりのメカニズムは少し難解ですが、簡単に言いますと、貧血を改善するために臓器が赤血球の産出量を増やしてくれるのです。

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