著者のコラム一覧
東丸貴信東邦大学名誉教授、平成横浜病院健診センター長

東京大学医学部卒。東邦大学医療センター佐倉病院臨床生理・循環器センター教授、日赤医療センター循環器科部長などを歴任。血管内治療学会理事、心臓血管内視鏡学会理事、成人病学会理事、脈管学会評議員、世界心臓病会議部会長。日本循環器学会認定専門医、日本内科学会認定・指導医、日本脈管学会専門医、心臓血管内視鏡学会専門医。

“流血”時に大活躍する「血小板」の機能と役割とは?

公開日: 更新日:

 刃物などを使い思わぬ出血をすることがあります。このとき血を止めるために登場するのが「血小板」です。

 血小板は骨髄中の巨核球の細胞質が数千個にちぎれてできた細胞です。血液に細胞成分の重量比で約1%含まれ、赤血球96%、白血球3%に比べれば少ない。核を持たず、1個の大きさが2マイクロメートル(1マイクロ=1000分の1ミリ)で、正常な血液なら1マイクロリットルに15万~40万個が含まれています。

 血管が傷つくとまず傷口に血小板が集まり、くっつき合って(凝集)塊をつくります。これで傷口が詰まり、出血が塞がります。川が決壊して、急ぎ防波堤を築くようなものでしょうか。

 血管の内側は、血管内皮という一層の細胞で覆われています。この細胞は流れている血液を固まらせないように働いており、血栓(血の塊)ができるのを防ぎます。しかし、この血管内皮細胞が傷がついたり壊されたりすると、血小板は血管内皮細胞の外側を覆っているコラーゲン線維にくっつきます。

 これがフィブリノーゲン(血液凝固因子=血漿中に含まれる糖タンパク質の一種)を仲立ちにして血小板の働きを活発にして(活性化)、血小板同士の結合(凝集)を進めるのです。こうした血小板凝集が活性化してできた血栓によって、一次止血が成立します。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    演技とイケオジぶりで再ブレーク草彅剛と「10億円マンション売却説」中居正広氏との“絆”

  2. 2

    泉ピン子が終活をやめたワケ「渡る世間は(水原)一平ばかり!」スペシャルインタビュー

  3. 3

    阪神からの戦力外通告「全内幕」…四方八方から《辞めた方が身のためや》と現役続行を反対された

  4. 4

    キムタク一家の妹Kōki,は映画主演の裏で…フルート奏者の姉Cocomiの話題作りと現在

  5. 5

    かんぽ生命×第一生命HD 人生設計に大切な保険を扱う大手2社を比較

  1. 6

    米田哲也が万引きで逮捕!殿堂入りレジェンド350勝投手の悲しい近況…《苦しい生活を送っていたのは確か》

  2. 7

    イスラエルにあなたの年金が流れていく…厚労省「ジェノサイド加担投資」引き揚げ“断固拒否”の不可解

  3. 8

    坂本花織の世界選手権66年ぶり4連覇に立ちはだかる…国際スケート連盟の「反トランプ感情」

  4. 9

    カーリング日本女子が到底真似できない中国の「トンデモ強化策」…世界選手権では明暗クッキリ

  5. 10

    公表された重点施策で露呈…JR東海の株価低迷と時代遅れの収益構造