現役世代が重症化する可能性は低いが…本当に怖いのはなにか
我々はいったい何を警戒するべきなのだろう。現役世代がコロナで命を落とす可能性はかなり低いし、重症化する可能性すら低い。
しかし中等症でも、患者の手記や証言によれば、相当きつそうだ。息切れや肺炎があれば「中等症Ⅰ」、酸素吸入が必要になると「中等症Ⅱ」に分類される。残念ながら、東京都は中等症の割合を公表していない。他県のデータを調べた限りでは、新規感染者の5~10%が中等症だ。ⅠのほうがⅡよりも多いと思われるが、そこまで細かい情報は出てきていない。
ただし中等症の割合は、PCR検査の実施件数によって上下する。無症状や軽症者のPCR検査を減らせば、感染者数を減らすと同時に、中等症患者の割合を高めることができる。東京都を例にとると、6000人近くを検査する日もあれば、1500件の日もある。それに応じて陽性者の数も上下する。要は各自治体の都合や思惑次第というわけだ。
医療崩壊も懸念されている。しかし、これも退院基準の設定によって変わってくる。
第1波のときは「発症日から14日間経過し、かつ、症状軽快から72時間経過した場合に退院可能」とされていたが、現在は「発症日から10日間経過し、かつ、症状軽快から72時間経過した場合に退院可能」に変わっている。しかし回復が早い患者も多い。日数の制限を緩和することによって、かなり柔軟に対応できるようになるだろう。