現役世代が重症化する可能性は低いが…本当に怖いのはなにか
では、本当に怖いのはなにか。おそらく「社会的制裁」だろう。
もし感染したら、たとえ無症状であったとしても、周囲から白い目で見られ、ネットには誹謗中傷が書き込まれ、しかも心の傷が長く当人を苦しめることになる。あるいは感染者を出した学校や店舗などは、マスコミから厳しく糾弾され、存続すら危ぶまれるようになるかもしれない。しかも政府や自治体は口先だけで、本気で守ってくれるわけではない。だから、われわれは常に気を引き締め、感染予防に努めなければならないのだ。
とはいえ新型コロナは自己責任でもなければ、個人の努力だけで予防できるものでもない。にもかかわらず厳しいバッシングを受ける危険があるとすれば、制裁を恐れてPCR検査を拒否する人や、検査に協力しない店舗が続出しそうだ。そうなれば、事態の収束はますます遠のいてしまう。
つまり新型コロナは、社会病理的な側面のほうが強いという意味でも、厄介な相手ということがいえるのである。