著者のコラム一覧
古谷彰子愛国学園短期大学准教授

早稲田大学大学院卒。早稲田大学時間栄養学研究所招聘研究員、愛国学園短期大学准教授、アスリートフードマイスター認定講師。「食べる時間を変えれば健康になる 時間栄養学入門」「時間栄養学が明らかにした『食べ方』の法則」(ともにディスカヴァー・トゥエンティワン)などがある。

エネルギーづくりを助ける銀杏は朝に向くが食べすぎに注意

公開日: 更新日:

 原産は中国といわれる銀杏(ぎんなん)の旬は9月から11月。イチョウの木の実で、イチョウの漢字も「銀杏」と書き、2億年以上も前から地球にある「生命力の強い食べ物」とも呼ばれています。

 独特のにおいが印象的ですが、このにおいは哺乳類全般に嫌われるとされていて、そのおかげで他の動物に食いつくされることなく生き残ったとも考えられています。

 とはいえ茶わん蒸しの具などに使われる銀杏を見ると、秋の訪れを感じずにはいられませんね。

 含まれる栄養素は1粒(約2グラム)当たり3キロカロリー。他のナッツ類と比較しても低カロリーです。

 他にも、抗酸化作用の強いビタミンEやビタミンC、エネルギーをつくり出すのを助けるビタミンB1などが含まれるので、頑張りたい朝に向いた食材です。

 ただ銀杏はビタミンB6と構造が似ている4’―メトキシピリドキシン(4’-MPN)という有毒物質が含まれ、食べ過ぎると中毒を起こします。銀杏中毒は1708年の書物にも書かれており、古くから知られていましたが、中毒物質がわかったのは1980年代後半でした。4’-MPNを大量に摂取するとビタミンB6と間違え、体内のビタミンB6が結合するところへくっついてしまいます。そのためビタミンB6が作用できず不足した状態になり、痙攣(けいれん)や嘔吐(おうと)などの中毒症状が起こってしまうのです。ちなみに4’-MPNは熱に強いので茶わん蒸しに入れても焼き銀杏にしても毒性はそのままです。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    日本は強い国か…「障害者年金」を半分に減額とは

  2. 2

    SBI新生銀が「貯金量107兆円」のJAグループマネーにリーチ…農林中金と資本提携し再上場へ

  3. 3

    巨人が李承燁コーチ就任を発表も…OBが「チグハグ」とクビを傾げるFA松本剛獲得の矛盾

  4. 4

    「おこめ券」でJAはボロ儲け? 国民から「いらない!」とブーイングでも鈴木農相が執着するワケ

  5. 5

    NHK朝ドラ「ばけばけ」が途中から人気上昇のナゾ 暗く重く地味なストーリーなのに…

  1. 6

    侍Jで加速する「チーム大谷」…国内組で浮上する“後方支援”要員の投打ベテラン

  2. 7

    石破前首相も参戦で「おこめ券」批判拡大…届くのは春以降、米価下落ならありがたみゼロ

  3. 8

    阿部巨人に大激震! 24歳の次世代正捕手候補がトレード直訴の波紋「若い時間がムダになっちゃう」と吐露

  4. 9

    ドジャース首脳陣がシビアに評価する「大谷翔平の限界」…WBCから投打フル回転だと“ガス欠”確実

  5. 10

    高市政権の物価高対策「自治体が自由に使える=丸投げ」に大ブーイング…ネットでも「おこめ券はいらない!」