著者のコラム一覧
堀田秀吾明治大学教授、言語学者

1968年生まれ。言語学や法学に加え、社会心理学、脳科学の分野にも明るく、多角的な研究を展開。著書に「図解ストレス解消大全」(SBクリエイティブ)など。

いたずら書きしながら作業すれば集中力が高まり記憶力が増す

公開日: 更新日:

 リモートで打ち合わせをしているとき、手を動かしていないと不安になる――。最近、友人と話をしていた際、そんなことを相談されました。確かに、手持ちぶさたになると落ち着きません。一方で、リモートとはいえ、相手の表情を見ている手前、手を動かしたりすることは失礼なのではないかと気にしてしまう……。そうは分かっていても、やっぱり手を動かしてしまう。

 これは電話で話をする際にも言えることで、わけもなくいたずら書きをしてしまう人は少なくないのではないでしょうか? 会話が終わって、ノートを見ると何の模様か分からない幾何学的な図形を描いていたり、ナゾの文字が書かれていたりする。「手持ちぶさたに耐えられず、こんないたずら書きを書いてしまう自分は大丈夫か?」なんて思ってしまうかもしれませんが、実は「いたずら書きをしながらの作業の方が記憶力が高くなる」という英国のプリマス大学の研究があります。いたずら書きはすごいんです。

 被験者は、18~55歳の男女40人。録音テープを聞いてもらい記憶力をチェックしました。その際、落書きのように図形をなぞりながら聞いてもらうグループと、何もせずに黙々と聞いてもらうグループに分けたところ、前者の方が30%ほど録音テープの内容を覚えていたことが明らかになったのです。むしろ退屈だからこそ、注意力が散漫してしまう可能性が示唆されました。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  2. 2

    “氷河期世代”安住紳一郎アナはなぜ炎上を阻止できず? Nキャス「氷河期特集」識者の笑顔に非難の声も

  3. 3

    不謹慎だが…4番の金本知憲さんの本塁打を素直に喜べなかった。気持ちが切れてしまうのだ

  4. 4

    バント失敗で即二軍落ちしたとき岡田二軍監督に救われた。全て「本音」なところが尊敬できた

  5. 5

    大阪万博の「跡地利用」基本計画は“横文字てんこ盛り”で意味不明…それより赤字対策が先ちゃうか?

  1. 6

    大谷翔平が看破した佐々木朗希の課題…「思うように投げられないかもしれない」

  2. 7

    大谷「二刀流」あと1年での“強制終了”に現実味…圧巻パフォーマンスの代償、2年連続5度目の手術

  3. 8

    国民民主党は“用済み”寸前…石破首相が高校授業料無償化めぐる維新の要求に「満額回答」で大ピンチ

  4. 9

    野村監督に「不平不満を持っているようにしか見えない」と問い詰められて…

  5. 10

    「今岡、お前か?」 マル秘の “ノムラの考え” が流出すると犯人だと疑われたが…