弱視は8歳までに発見して治療しないと回復のチャンスを逃す
先ほど弱視について眼鏡やコンタクトレンズなどを使っても良い視力が出ない状態を指すと説明しましたが、弱視にはまったく異なった2つの定義があります。
そのひとつは社会的・教育的なもので、眼科診療で用いている弱視(アンブリオピア)との混乱を避けるため、最近は「ロービジョン(低視覚)」というようになってきています。具体的には、「両眼の矯正視力が0.3未満のもの、または視力以外の視機能障害があり、学習や日常生活上に制約があるが、主として視覚における様々な行動ができる者」とされています。ですから「裸眼視力は0.1だけど、コンタクトレンズを入れると1.0になる」という場合は、弱視(ロービジョン)とはいいません。その低視力回復の可能性は原因となる病気によります。
もうひとつの定義に該当する弱視(アンブリオピア)が、小児における視力障害の最も一般的な原因です。質問者のお子さんの弱視は、おそらくこの分類に含まれる弱視でしょう。眼から送られてくる像を脳が無視するために起こる視力の低下です。8歳になる前に診断かつ治療されないと、視力障害が回復不能なものとなる場合があります。