自由診療歯科医が教える歯のケア(1)フッ素入りジェルで磨き水でゆすがない

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 若い頃の虫歯は、目につきやすい歯冠、それも歯面にできやすいのに対し、60歳では歯肉が下がることで外からは見えにくい歯肉と象牙質がむき出しの歯根に隙間ができ、そこに虫歯ができる。

「歯は表面からエナメル質→象牙質→歯髄(神経)という3層構造になっています。歯肉と歯根との隙間ではエナメル質が象牙質を覆っておらず、食べカスがたまりやすい。そのため、虫歯ができ、簡単に歯髄に到達してしまう。結果、歯の根元の部分がダメになってしまうのです」

 では、歯磨きの仕方はどのように変えるべきか?

「まず、食後の歯磨きの前にフロスか歯間ブラシを使って歯と歯の間の食べカスをかき出すこと。そのうえで歯磨きをします。注意したいのは中高年は必ずフッ素入りの歯磨きジェルを使うことです。このとき、歯磨き後の水でのすすぎはしないで、吐き出すだけにしましょう。さらに、寝る前にフッ素入りの洗口液で口をゆすぐのがいいでしょう」

 そこまでやる必要があるのか、疑問に思う向きもあるだろう。

「年を取って歯列が乱れたり歯肉がやせると、歯磨きでは届かない部分が多くなり、唾液の質も変わって細菌などに対する防御力も低下します。それを補うには若い頃と同じ歯磨きだけではダメなのです」

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