著者のコラム一覧
青島周一勤務薬剤師/「薬剤師のジャーナルクラブ」共同主宰

2004年城西大学薬学部卒。保険薬局勤務を経て12年9月より中野病院(栃木県栃木市)に勤務。“薬剤師によるEBM(科学的エビデンスに基づく医療)スタイル診療支援”の確立を目指し、その実践記録を自身のブログ「薬剤師の地域医療日誌」などに書き留めている。

ダイエット成功の秘訣は睡眠時間にあり エネルギー摂取量が変化

公開日: 更新日:

 健康状態にとって適切な睡眠時間は7時間前後といわれています。しかし、仕事の多忙などが原因で、睡眠時間を十分に確保できない人も多いでしょう。米国で行われた調査によれば、7時間に満たない睡眠時間を報告した人は、健常成人の3分の1を占めました。

 食事から摂取するエネルギー量(カロリー)は、睡眠時間が短くなると増加する可能性が報告されています。つまり、睡眠時間が少ない人では、肥満のリスクが高まる傾向があるのです。しかし、睡眠時間を増やすことが肥満の予防や改善に有効かどうかについては、専門家でも意見が分かれていました。

 そんな中、米国医師会が発行している内科専門誌に、睡眠時間の改善とエネルギー摂取量の変化を検証した研究論文が、2022年2月7日付で掲載されました。

 米国で行われたこの研究では、睡眠時間が6.5時間未満で、体格指数(BMI)が25~29.9の肥満成人80人(平均29.8歳)が対象となっています。被験者は、睡眠時間の延長を目的としたカウンセリングを実施する睡眠延長介入グループと、今までの睡眠習慣を継続してもらう対照グループにランダムに振り分けられ、エネルギー摂取量の変化が比較されました。なお、被験者全員に対して、食事や運動習慣については今まで通りに生活してもらうよう指示されています。

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