著者のコラム一覧
荒川隆之薬剤師

長久堂野村病院診療支援部薬剤科科長、薬剤師。1975年、奈良県生まれ。福山大学大学院卒。広島県薬剤師会常務理事、広島県病院薬剤師会理事、日本病院薬剤師会中小病院委員会副委員長などを兼務。日本病院薬剤師会感染制御認定薬剤師、日本化学療法学会抗菌化学療法認定薬剤師といった感染症対策に関する専門資格を取得。

【B型肝炎】がん発生抑止のために行う2つの抗ウイルス治療

公開日: 更新日:

 キャリアーに対しては、肝細胞がん発生の抑止などを目的として抗ウイルス治療が行われる場合があります。主な治療法は「インターフェロン療法」と「核酸アナログ製剤の内服治療」です。

 インターフェロン療法は、人工的に生産したインターフェロンを注射で補う治療法です。インターフェロンはウイルスに感染した際に体を守るために体内で作られるタンパク質の一種で、ウイルスを排除したり増殖を抑える働きがあります。

 インターフェロン療法は治療期間が24~48週間と限定されており、催奇形性もないため若年者で比較的使用しやすいといわれています。しかし、治療期間中は週1回の通院が必要で、治療効果が得られる症例も20~40%にとどまっています。

 一方の核酸アナログ製剤は、ウイルスの増殖を直接阻害する内服薬です。治療が簡便で、自然治癒の可能性が低い高齢者においてもほとんどの症例で抗ウイルス作用を発揮し、肝炎を沈静化することが可能とされています。ただし、投与中止による再燃率が高いため、長期間の継続的治療が必要となってしまいます。

 一概にどちらの治療が優れているとは言いづらく、その人に合った治療を選択することが大切なのです。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    「ばけばけ」好演で株を上げた北川景子と“結婚”で失速気味の「ブギウギ」趣里の明暗クッキリ

  2. 2

    西武・今井達也「今オフは何が何でもメジャーへ」…シーズン中からダダ洩れていた本音

  3. 3

    N党・立花孝志容疑者にくすぶる深刻メンタル問題…日頃から不調公言、送検でも異様なハイテンション

  4. 4

    我が専大松戸は来春センバツへ…「入念な準備」が結果的に“横浜撃破”に繋がった

  5. 5

    N党・立花孝志氏に迫る「自己破産」…元兵庫県議への名誉毀損容疑で逮捕送検、巨額の借金で深刻金欠

  1. 6

    高市首相「議員定数削減は困難」の茶番…自維連立の薄汚い思惑が早くも露呈

  2. 7

    高市内閣は早期解散を封印? 高支持率でも“自民離れ”が止まらない!葛飾区議選で7人落選の大打撃

  3. 8

    高市政権の物価高対策はパクリばかりで“オリジナル”ゼロ…今さら「デフレ脱却宣言目指す」のア然

  4. 9

    高市首相は自民党にはハキハキ、共産、れいわには棒読み…相手で態度を変える人間ほど信用できないものはない

  5. 10

    “文春砲”で不倫バレ柳裕也の中日残留に飛び交う憶測…巨人はソフトB有原まで逃しFA戦線いきなり2敗