検査で「異常なし。大丈夫」と言われても油断しない
認知症を疑うべき点は、「変化」です。これまでの暮らしぶりや仕事ぶりから考えて、「何かおかしい」と感じる変化はないか? それを繰り返していないか? 最初に気付くのは、恐らくご自身です。そういった場合、ぜひ勇気を持って、医療機関を受診して欲しいと思います。
では、どういったところを受診すればいいのか?
ポイントは、診療科では選ばないことです。病院では精神科、脳神経内科、脳神経外科、老年科などがありますが、それぞれの科でも認知症を得意とする先生とそうでない先生がいます。なので、「もの忘れ外来」などと銘打った認知症の専門外来を受診されるのがよいでしょう。また、各地域には認知症疾患医療センターがあります。そちらを受診することもよいと思います。
認知症を専門とする医師なら、「認知症が心配で」と受診者がおっしゃる場合、まずは面談で現在の状態やこれまでにかかった病気などを伺います。そして病気の鑑別のため、認知機能検査、血液検査、脳画像検査(MRIやCT検査)を行うでしょう。
認知機能の評価は「長谷川式簡易知能評価スケール」や「ミニメンタルステート検査」といった神経心理学検査で行います。ここでは、今日の日付や場所などの認識、単純な計算や字を読んだり図形を描いてもらうなどの作業をしたりします。脳画像検査では、脳の形態から脳の萎縮の度合いを調べ、認知症の鑑別診断をしていきます。