著者のコラム一覧
永田宏長浜バイオ大学元教授、医事評論家

筑波大理工学研究科修士課程修了。オリンパス光学工業、KDDI研究所、タケダライフサイエンスリサーチセンター客員研究員、鈴鹿医療科学大学医用工学部教授を歴任。オープンデータを利用して、医療介護政策の分析や、医療資源の分布等に関する研究、国民の消費動向からみた健康と疾病予防の解析などを行っている。「血液型 で分かるなりやすい病気なりにくい病気」など著書多数。

がんと闘うための4つの最新データ 医療情報学教授が分析

公開日: 更新日:

胃がんの年齢調整死亡率が大幅に低下した

 主要部位に限れば、男女とも胃がんの年齢調整死亡率が劇的に下がっている。この図の縦軸が対数目盛りになっていることに注目して欲しい。2000年前後と比べても、年齢調整死亡率が半分以下になっていることが分かる。

 男性ではほかに、肝臓がん肺がんの年齢調整死亡率が1990年代を境に下がり続けており、また大腸がんと前立腺がんでも低下傾向にある。喫煙・飲酒量が減ったことや、大腸がん検診と肺がん検診の受診率が上がったことなどによると考えられる。69歳以下の大腸がん検診の受診率は、2010年では約28%だったが、2019年には約48%に向上した。また肺がん検診の受診率は、同時期に約26%から約53%になった。

 女性では、肝臓がんの年齢調整死亡率が大幅に低下した。しかし、乳がんは増え続けている。69歳以下の乳がん検診受診率は、近年徐々に増え続けているが、それでも2019年時点で約47%である。

 子宮がんは、記録が始まった1958年から一貫して低下し続けてきたが、2010年ごろを境に増加に転じた。子宮頚がん(子宮がんに含まれる)が増えていることによる。子宮頚がんは、ヒトパピローマウイルス(HPV)の感染で発症することが多いが、ワクチンによって防ぐことが可能である。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    NHK朝ドラ「ばけばけ」が途中から人気上昇のナゾ 暗く重く地味なストーリーなのに…

  2. 2

    ドジャース大谷翔平32歳「今がピーク説」の不穏…来季以降は一気に下降線をたどる可能性も

  3. 3

    「おまえもついて来い」星野監督は左手首骨折の俺を日本シリーズに同行させてくれた

  4. 4

    ドジャース佐々木朗希の心の瑕疵…大谷翔平が警鐘「安全に、安全にいってたら伸びるものも伸びない」

  5. 5

    巨人大ピンチ! 有原航平争奪戦は苦戦必至で投手補強「全敗」危機

  1. 6

    巨人が李承燁コーチ就任を発表も…OBが「チグハグ」とクビを傾げるFA松本剛獲得の矛盾

  2. 7

    衝撃の新事実!「公文書に佐川氏のメールはない」と財務省が赤木雅子さんに説明

  3. 8

    ドジャース首脳陣がシビアに評価する「大谷翔平の限界」…WBCから投打フル回転だと“ガス欠”確実

  4. 9

    高市首相が漫画セリフ引用し《いいから黙って全部俺に投資しろ!》 金融会合での“進撃のサナエ”に海外ドン引き

  5. 10

    日本ハムはシブチン球団から完全脱却!エスコン移転でカネも勝利もフトコロに…契約更改は大盤振る舞い連発