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中川恵一東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。

体格と肺がんのリスク 身長170センチなら66キロで2割、55キロで5割増

公開日: 更新日:

 頑張ってダイエットしている人には、気になるデータかもしれません。体格と肺がんのリスクを調べたところ、痩せている人の方が肺がんリスクが高い傾向が明らかになったのです。国立がん研究センター予防研究グループが調査結果を「Cancer Epidemiology Biomarkers Prev」に発表しています。

 研究グループは、1990年と93年に全国9保健所管内に住む人のうち、がんになっていない40歳から69歳までの男女9万2098人を登録。アンケート調査を行い、2013年まで追跡。肺がんの罹患リスクと体格指数(BMI=体重キロを身長メートルで2回割って算出)、体重変化などを検討しました。

 BMIは「19未満」「19~22.9未満」「23~24.9未満」「25~26.9未満」「27以上」の5グループに分類。「23~24.9」を1とすると、男性の場合、「19未満」は1.5、「19~22.9」は1.2と、BMIが低いほど肺がん罹患リスクが高いことが認められました。統計的な有意差があります。

 腺がんと扁平上皮がんの組織に分けた検討も行っています。女性は、すべての肺がんで有意差がありませんでしたが、「19未満」は扁平上皮がんのリスクが高い。

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