著者のコラム一覧
永田宏長浜バイオ大学元教授、医事評論家

筑波大理工学研究科修士課程修了。オリンパス光学工業、KDDI研究所、タケダライフサイエンスリサーチセンター客員研究員、鈴鹿医療科学大学医用工学部教授を歴任。オープンデータを利用して、医療介護政策の分析や、医療資源の分布等に関する研究、国民の消費動向からみた健康と疾病予防の解析などを行っている。「血液型 で分かるなりやすい病気なりにくい病気」など著書多数。

【尿酸値】血液が酸性に傾くと血中濃度が上がる…ビールだけではない

公開日: 更新日:

 中高年サラリーマンにとって、もっとも気になる数値のひとつが「尿酸値」でしょう。尿酸はDNA中のプリン塩基(DNAの主成分のひとつでプリン体とも呼ばれる)の代謝産物で、血中に溶け込み、腎臓から尿と一緒に排泄されます。しかし供給量が排泄量を上回ると、次第に血中濃度が上がってきます。

 尿酸の主な供給源のひとつは、プリン体を多く含む食品であることが知られています。ご存じのとおり、その多くが魚介類や肉など「おいしいもの」ばかり。しかもビールなどにもたっぷり含まれているため、焼き鳥とビールなどはかなり“危険”な組み合わせです。

 排泄量は血液のpH(酸性・アルカリ性)によって大きく左右されます。正常な血液はpH7.4前後と、ごく弱いアルカリ性に保たれていますが、ほんの少しpHが下がる(酸性側に振れる)だけで、尿酸が血液に溶けにくくなるため、腎臓からの排泄量が減ってしまいます。ストレスやダイエットで血液のペーハーバランスが崩れることもあるので、注意が必要です。

 ほかにもサウナやスポーツで大量の汗をかくと、水分が減った分だけ血液が濃縮されて、一時的に尿酸値が上がります。余分な尿酸は、血液中のカルシウムと結合して尿酸カルシウムとなり、結晶を作ります。結晶は比重の関係から、足の先端(とくに親指の付け根)やかかと、膝などの関節に沈着していきます。ある程度たまってくると、白血球が外敵と見なして攻撃を開始し、炎症が生じて激痛を引き起こす(痛風発作)というわけです。

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