【コレステロール】に「善」も「悪」もない 科学的には1種類
コレステロールには「HDL(善玉)」と「LDL(悪玉)」の2種類があると思ってる人が、大勢います。もちろんそれでいいのです。悪玉コレステロールは低いほうがよい、善玉コレステロールは高いほうがよい。それさえ押さえておけば問題ありません。しかし、せっかくなので、もう少し詳しい話をしてみましょう。
実はコレステロールという物質は化学的には1種類、HDLやLDLといった区別はありません。善玉も悪玉も、すべて同じコレステロールなのです。
前回、中性脂肪はタンパク質などと結合してリポプロテイン(LP)と呼ばれる粒子を形成しているという話をしました。この粒子は複雑な構造をしています。中性脂肪などの塊を核とし、その周りをリン脂質(細胞膜などの主要材料)とコレステロールの層が囲い、さらに外側をアポリポプロテインというタンパク質が覆うという、3層構造をしています。
LP粒子の比重は、コレステロールの含有量によって異なっています。含有量が少ないと高比重、多いと低比重になります。
そして高比重のものをHDL(High Density Lipoprotein)、低比重のものをLDL(Low Density Lipoprotein)と呼んでいます。