心臓を守るために「乳製品」の摂取は効果的なのか
乳製品の摂取は心臓病のリスクを低下させる──。今年3月にそんな研究データが報告されました。
国立がん研究センターが実施している多目的コホート研究で、岩手、秋田、長野、沖縄、東京、茨城、新潟、高知、長崎、大阪に在住していた45~74歳の男女9万3310人を平均19.3年にわたり追跡調査した結果、とりわけ男性では、乳製品の摂取量が多いと、心筋梗塞や脳卒中などの循環器疾患による死亡リスクが低いことがわかったといいます。
乳製品の摂取量ごとに人数が均等になるよう3つのグループに分け、乳製品を摂取しないグループと比較したところ、男性では、乳製品の摂取量が多いグループで、全死亡と循環器疾患の死亡リスクが低いという結果でした。
研究グループによると、乳製品に含まれる活性ペプチドは血圧を上昇させる酵素を阻害して血圧を下げる働きがあること、同じく豊富に含まれるカルシウムやカリウムなどのミネラルも、腎臓からのナトリウム排泄を促すなどの血圧を下げる効果があり、心臓病リスクを低下させた可能性が指摘されています。