著者のコラム一覧
東敬一朗石川県・金沢市「浅ノ川総合病院」薬剤部主任。薬剤師

1976年、愛知県生まれの三重県育ち。摂南大学卒。金沢大学大学院修了。薬学博士。日本リハビリテーション栄養学会理事。日本臨床栄養代謝学会代議員。栄養サポートチーム専門療法士、老年薬学指導薬剤師など、栄養や高齢者の薬物療法に関する専門資格を取得。

高齢者が熱中症になりやすい理由と対処法…細胞内の水分量が減る

公開日: 更新日:

 ですので、高齢者は喉が渇いていなくても、こまめに水分を補給して念入りに脱水を予防しなければなりません。ただ、水分をとることで特に夜間、トイレに起きる頻度が高まることから、高齢者は夕方から夜にかけて水分を取りたがらない傾向があります。しかし、人間は寝ているときにもたくさんの水分を失っているため、やはり水分はしっかり摂取する必要があるのです。ポイントは1回にたくさんの水分を摂取するのではなく、少量をこまめに摂取することです。

 ただ、単に水だけを摂取してもダメで、場合によっては一緒に塩分を摂取したほうが良いケースもあります。体から水分が失われているとき、一緒に塩分が失われているからです。基本的に体から水分だけが失われるということはありません。 水分と塩分を一緒に摂取するのにはもうひとつ理由があります。塩分が水分の吸収を促してくれることで、効率的に水分補給ができるためです。

 それでも熱中症のような症状が認められる場合は、すぐに医療機関を受診しましょう。クスリ(ここでは点滴)を投与することで直接血管内に水分と塩分を補給できます。

 冬であっても、熱中症は起こります。空気が乾燥しているうえ、暖房器具を使用する機会が多くなるからです。熱中症は重度になると死に至るリスクもあります。適切な水分補給と無理をしないということを心にとどめておきましょう。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    清原和博氏が巨人主催イベントに出演決定も…盟友・桑田真澄は球団と冷戦突入で「KK復活」は幻に

  2. 2

    安青錦の大関昇進めぐり「賛成」「反対」真っ二つ…苦手の横綱・大の里に善戦したと思いきや

  3. 3

    99年シーズン途中で極度の不振…典型的ゴマすりコーチとの闘争

  4. 4

    実は失言じゃなかった? 「おじいさんにトドメ」発言のtimelesz篠塚大輝に集まった意外な賛辞

  5. 5

    日銀を脅し、税調を仕切り…タガが外れた経済対策21兆円は「ただのバラマキ」

  1. 6

    巨人今オフ大補強の本命はソフトB有原航平 オーナー「先発、外野手、クリーンアップ打てる外野手」発言の裏で虎視眈々

  2. 7

    阿部巨人に大激震! 24歳の次世代正捕手候補がトレード直訴の波紋「若い時間がムダになっちゃう」と吐露

  3. 8

    林芳正総務相「政治とカネ」問題で狭まる包囲網…地方議員複数が名前出しコメントの大ダメージ

  4. 9

    国分太一が「世界くらべてみたら」の収録現場で見せていた“暴君ぶり”と“セクハラ発言”の闇

  5. 10

    角界が懸念する史上初の「大関ゼロ危機」…安青錦の昇進にはかえって追い風に?