「冬の脱水」を甘く見てはいけない マスク着用に乾燥が重なって…

公開日: 更新日:

 都内のあるクリニックでは、新型コロナの感染拡大以降、睡眠不調や体調不良を訴える患者によく話を聞いてみると、「脱水」を起こしているケースが増えたという。脱水というと汗をたくさんかく夏は警戒されるが、冬でも注意が必要だ。甘く考えていると命に関わるような深刻な状態を招きかねない。東邦大学名誉教授で循環器専門医の東丸貴信氏に聞いた。

 コロナ禍では感染予防のためのマスク着用が当たり前になった。マスクをつけていると「喉の渇き」に気付きにくくなる。水分を含んだ自分の呼気がマスクの内側にこもり、その湿った空気を再び吸い込むことで、口や喉の乾燥が抑えられるからだ。

 ただ、体内の水分は排尿や発汗以外にも呼吸や皮膚からの蒸発などによって常に失われている。「不感蒸泄」と呼ばれるもので、健康な成人では1日に約900ミリリットルの水分が失われているという。

「通常の場合、体内の水分が減ると喉の渇きを感じます。水分補給を促すサインです。しかし、日常的に長時間にわたってマスクを着用していると、このサインが出にくくなるうえ、いちいちマスクを外すのが面倒なこともあって、水分補給の回数が減ってしまいます。そのため、気付かないうちに脱水状態になっているケースがあるのです」

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人今季3度目の同一カード3連敗…次第に強まる二岡ヘッドへの風当たり

  2. 2

    大阪・関西万博の前売り券が売れないのも当然か?「個人情報規約」の放置が異常すぎる

  3. 3

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  4. 4

    ヤクルト茂木栄五郎 楽天時代、石井監督に「何で俺を使わないんだ!」と腹が立ったことは?

  5. 5

    バンテリンドームの"ホームランテラス"設置決定! 中日野手以上にスカウト陣が大喜びするワケ

  1. 6

    菜々緒&中村アン“稼ぎ頭”2人の明暗…移籍後に出演の「無能の鷹」「おむすび」で賛否

  2. 7

    巨人「先発6番目」争いが若手5人で熾烈!抜け出すのは恐らく…“魔改造コーチ”も太鼓判

  3. 8

    ソフトバンク城島健司CBO「CBOってどんな仕事?」「コーディネーターってどんな役割?」

  4. 9

    テレビでは流れないが…埼玉県八潮市陥没事故 74歳ドライバーの日常と素顔と家庭

  5. 10

    国民民主党は“用済み”寸前…石破首相が高校授業料無償化めぐる維新の要求に「満額回答」で大ピンチ