著者のコラム一覧
中川恵一東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。

X JAPANのHEATHさんは4カ月で急逝…大腸がんステージ4で延命できる可能性

公開日: 更新日:

 ところが、HEATHさんは診断から4カ月での不幸です。診断時にかなり進行していたと思われます。ステージ4の5年生存率は23.7%。ステージ1より下がりますが、すい臓や肝臓、胃、肺などのがんは1ケタ台ですから、それに比べると、大腸がんは進行しても治療成績がよい結果になっています。

 実は、ステージ4でも転移が少数なら、手術や放射線などを積極的に行うべきとされていて、切除などの治療がうまくいくと、生活の質を保ちながら延命できるケースが少なくありません。

 ジャーナリストの鳥越俊太郎さん(83)は05年に大腸がんであることを告白。その後、肺や肝臓などへの転移の治療と合わせて4回の手術を受けながら、いまも活躍されています。

 転移が治療できるくらいの少数か、治療が難しい多数かは、予測できません。HEATHさんは後者で、積極的な治療が厳しい状態だったのかもしれません。

 前述したように大腸がんは、脂質の多い食事、野菜や果物の不足、運動不足などがよくありません。大腸がん予防には脱メタボの生活習慣が大切です。

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