著者のコラム一覧
天野篤順天堂大学医学部心臓血管外科教授

1955年、埼玉県蓮田市生まれ。日本大学医学部卒業後、亀田総合病院(千葉県鴨川市)や新東京病院(千葉県松戸市)などで数多くの手術症例を重ね、02年に現職に就任。これまでに執刀した手術は6500例を超え、98%以上の成功率を収めている。12年2月、東京大学と順天堂大の合同チームで天皇陛下の冠動脈バイパス手術を執刀した。近著に「天職」(プレジデント社)、「100年を生きる 心臓との付き合い方」(講談社ビーシー)、「若さは心臓から築く 新型コロナ時代の100年人生の迎え方」(講談社ビーシー)がある。

収入が低くなると心臓病リスクが高くなる…理由はいくつもある

公開日: 更新日:

 近年、「収入」と心臓病の関係に関する研究が盛んに行われています。すでに、高収入の人は、低収入の人と比べて平均余命が長いことが報告されていますし、収入が高い人は、低い人と比べて心筋梗塞や狭心症などの虚血性心疾患のリスクが低いこともわかっています。

 また米ハーバード大の研究では、6年間の期間に収入が減少すると、その後17年間にわたって心臓血管疾患のリスクが高くなると報告しています。この研究では米国の4地域(ミシシッピ州、メリーランド州、ミネソタ州、ノースカロライナ州)に住んでいる約9000人を対象に、1987~89年と93~95年の平均6年間にわたって収入を調査し、収入が50%以上減少した人、変化がなかった人、50%以上増加した人の3つのグループに分類し、心臓血管疾患の発症リスクを比較しています。

 その結果、平均17年間のフォローアップ中、収入に変化がなかった人と比較して、50%以上減少した人は心臓血管疾患のリスクが17%上昇していました。一方、50%以上増加した人は同リスクが14%低下していたといいます。やはり、高収入では心臓血管疾患リスクは下がり、低収入ではリスクが上がるという結果です。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    侍ジャパンに日韓戦への出場辞退相次ぐワケ…「今後さらに増える」の見立てまで

  2. 2

    大谷翔平は米国人から嫌われている?メディアに続き選手間投票でもMVP落選の謎解き

  3. 3

    阪神の日本シリーズ敗退は藤川監督の“自滅”だった…自軍にまで「情報隠し」で選手負担激増の本末転倒

  4. 4

    “新コメ大臣”鈴木憲和農相が早くも大炎上! 37万トン減産決定で生産者と消費者の分断加速

  5. 5

    侍J井端監督が仕掛ける巨人・岡本和真への「恩の取り立て」…メジャー組でも“代表選出”の深謀遠慮

  1. 6

    巨人が助っ人左腕ケイ争奪戦に殴り込み…メジャー含む“四つ巴”のマネーゲーム勃発へ

  2. 7

    藤川阪神で加速する恐怖政治…2コーチの退団、異動は“ケンカ別れ”だった

  3. 8

    支持率8割超でも選挙に勝てない「高市バブル」の落とし穴…保守王国の首長選で大差ボロ負けの異常事態

  4. 9

    大谷翔平の来春WBC「二刀流封印」に現実味…ドジャース首脳陣が危機感募らすワールドシリーズの深刻疲労

  5. 10

    和田アキ子が明かした「57年間給料制」の内訳と若手タレントたちが仰天した“特別待遇”列伝